6年3組物語 第25話

夏の変態君

 瑞貴は校区から少し離れた市民プールにやってきていた。
…正しくは、谷口姉妹に連れてこられたのだが。
元々泳ぐのは好きな瑞貴、本来海やプールに行くのは楽しみなことなのだが…

「ほら、何ぐずぐずしてんの、みずきちゃん」
「そうだよ、別に恥ずかしがることでもないのに」
「うぅ…」
 この大きな2人に手を引かれ、小さな瑞貴は同じ更衣室に連れられていく。
この2人に誘われた時点で抱いていた嫌な予感は的中していた。
ただ泳ぎに来るだけで済まされるほど、彼女たちは優しい女の子ではない。
出かける際、当然のように、彼女たちから瑞貴用にと一枚の水着が渡された。
萌香が小学校2年生当時によく着ていたという、ミニスカートの付いた子供らしいピンクの水着だった。
こんな大きな2人に逆らえるわけもなく、躊躇いながらも結局それを受け取るしかなかった瑞貴。
私服姿でも女の子と間違われる瑞貴だ。窓口の係員からも何一つ怪しまれることなく侵入できてしまった。
着替えのスペースは仕切りのある個室のようなもの。更衣室の中で彼の正体に気づく女性客などいるはずもない。
低学年の頃から大柄だった萌香が着ていたものとはいえ、6年生の児童が着るにはやはりきつめだった。
着替える際に脚を通した瞬間から感じたそのタイトな締め付けは、肩紐部分をかけて完全に身に纏うとより窮屈に、
しかしそれ以上に甘美なフィット感で、瑞貴の胸をいけない昂りに導いていくのだった。
男の服ではまず味わうことのない、胴全体を覆う違和感に満ちた密着感!
しかしそれが、女の子用の水着を着るという倒錯的な行為をより実感させ、瑞貴をよりキュンキュンとした高鳴りで襲うのだ。

「かっわいい〜!!」
「やっぱり思った通りね。超お似合いだよ。とっといてよかったな〜」
 ためらいがちに更衣室から出てきた瑞貴を、意地悪な双子姉妹は目をキラキラさせて出迎えた。
恥ずかしがる瑞貴だが、その正体を知らない第三者から見ればその姿はどう見ても女子小学生だった。
女の子が、嫉妬するほどの。
「さ、行こ♪」
「で、でも…」
 2人に手を引かれた瑞貴だったが、やはり女の子の水着姿で大勢の前に出るのは抵抗があるのか
足を踏ん張って前に出ようとしない。
「前に、あんな大勢の前でパレードにも出たのに誰もわかんなかったじゃん。全然心配ないって」
「自分で、バレるような真似さえしなかったら、ね♪」
 ぴらっ。
「やっ!!」
 萌里が意地悪く、後ろ手で瑞貴の水着のスカート部分をめくり上げた。
水着の繊維が真上へと突き上げられてしまっている瑞貴の股間が一瞬さらけ出されてしまい、瑞貴は慌てて裾を下に戻す。
「ふふ、やっぱり女の子のかっこするの、大好きなんじゃん」
「その恥ずかしがり方も、まんま女の子だよ。せいぜい自分でボロ出さないように、がんばってね」
「そ、そんな…」
 結局この2人に逆らえるはずもなく、瑞貴は多くの人で賑わう場所へと連れて行かれた。


 大人が入ると膝程度の水位である幼児用プール、そして小学生から大人まで集まる25mプールに50mプール。
家族連れも多く最も賑わっている50mプールに、谷口姉妹は瑞貴を連れてやってきた。
自分たちが女の子にした瑞貴を、より多くの人々に披露するためだ。
「ほら、そこらじゅうからチラチラ見てきてるよ。みんな、みずきちゃんが気になるみたい」
「女のあたしたちから見てもかわいいもんね。ナンパとかしてくるかもしれないよ」
「そ、それは…」
 萌香と萌里を見ているんだ、という旨のことを瑞貴は言いたかったがやめた。
180cmにもなる双子の少女は私服でも十分に目を引く存在だ。しかも今日は水着姿。
スクール水着はダサいから学校の授業以外では着たくないと、今日の彼女たちはそろいの黄色ビキニ。
背丈も3サイズも、あの超人ぞろいである6年3組女子の中では平均より少し上程度のものでしかないが、
地元から離れて来ているこの一般的な空間の中では間違いなく、他を圧倒する存在だ。
B85-W62-H87、裸足で股下85cmにもなる見事な肢体、広い肩幅も、大きな背中もビキニのため隠さず晒されている。
こんな2人を、周りの誰が小学生だと思うだろうか。
瑞貴が水着の中で勃起しているのは女の子の水着の着心地に興奮を催してしまっているだけのことではない。
この2人が、常に間近で視界に入っているからというのもある。
加えて、そんなナイスバディの上にあるのは年相応の幼さが残る悪戯っぽい顔立ち。
このアンバランスが、より男たちの目を釘付けにしていた。
特に、いじめっ子である内面を滲ませているS的視線は、そういったものを欲するタイプの男の胸と股間を熱くさせ
彼らをプールから上がれない状況に追い込んでいた。
事実として人々の目を奪っているのは谷口姉妹であり、後ろにいる瑞貴は普通の女の子として
数多い利用客の中で自然に溶け込んでいるのに過ぎなかった。
大きな双子のお姉さんに連れられた、幼児体型の妹という認識で。

 それから3人はプールで泳いだり、持参したビーチボールを使って遊んだりして楽しんだ。
…楽しんでいたのは萌香と萌里だけだったかもしれない。瑞貴は、とにかく気が気ではなかった。
水中にいれば確かに、外から見て実は男だということを見破られる危険性はなかったものの…
水の中では軽い素材でできているスカートは浮遊してめくれ上がりっぱなしなのだ。
ピンクのワンピース水着に鋭角な突起を作ってしまっている股間は、まったく隠せていない。
いろんな人が遊んでいる市民プール、中には深く潜って遊んでいる子供も少なくない。
中から見られたら一巻の終わりだ…と、瑞貴は肝を冷やしながら大きな姉妹と戯れていた。

「ご来場の皆様にお知らせいたします!只今より水中検査を行います!
遊泳中の方は一度プールサイドに出るようお願いいたします!」
 場内のスピーカーからそんな声が聞こえてきた。
溺れている人がいないかなどを調べるため定期的に行われる、水中検査の時間だ。
利用客は次々と水から上がっていく。瑞貴も、周りの視線に気を配りながらスカートのすそを引き下げつつ段差を越えた。

「ねぇみずきちゃん。こうしてるだけじゃ暇だし、ちょっとそのへん回ってきてみてよ」
「あ、それいい。本当にみずきちゃんが見られてたかどうか、確かめてあげるから」
「え!?で、でも……」
「だーい丈夫だって。自分からバラすような真似さえしなかったら」
「もし変なのが触ってきたりしたら、あたしたちが行ってブッ飛ばしてあげるからさ」
 結局瑞貴は、この2人に逆らえず立ち上がるしかなかった。
水中検査をする目的の説明、今後のイベントの案内、売店で売っているものの宣伝などのアナウンスが場内に響く中、
瑞貴はプールサイドをおずおずと回った。
それは谷口姉妹に命じられるままの、瑞貴のファッションショーだった。
勃起を悟られまいと、自然に足は内股となり、より女の子っぽく人々の目には映る。
今年に入ってから、髪を切りに行くのを萌香と萌里により固く禁じられている瑞貴は、春よりもさらに髪が伸びて
ショートカットというよりセミロングに近くなって、余計に外見が女の子に近付いてしまっている。
スレンダーな体型、まだ発毛のないすべすべとした腕や脚は日差しを浴びて輝き、少しずつ目を引き始める。
3人でプールに来たときとは違う視線の集まりを瑞貴は感じていた。
あの大きな2人に隠れる形で視線を逃れていた始めの頃とは違う。
瑞貴はいつしか、ややきつい幼稚な水着を着た1人の美少女として周りの目を奪い始めたのだった。
誰も気付かないところから、盗撮のレンズまで向けられているほどだ。
今日と同じように谷口姉妹に女装を強要され、出場したパレードの日を瑞貴は思い出す。
…今日は薄い水着だからそれ以上の恥ずかしさだ。両手が、ついこの姿を隠そうと胸やスカートのあちこちに伸びるが
こんな恰好をしている以上そんなことは無駄でしかない。
そうして恥ずかしそうにしている様子が、余計周りからはかわいく見させてしまっている。

 そうしているうちにそれぞれのプールから監視員のOKサインが出て、水中検査の時間は終了した。
それを告げるアナウンスとともに待ち構えていた子供たちは我先にとプールに飛び込み、元の歓声に包まれた空間が戻った。
痛いほど突き刺さっていた周りの視線から一気に解放されたように感じた瑞貴は大きく息をつき、その場にへたり込むのだった。


 やがて時間が迫ってきたため、3人はプールを後にしてシャワーへと向かった。
これで、恥ずかしい思いをするのは終わる…と安堵しかけていた瑞貴だったが、それは甘かった。
プールの水に含まれている塩素を洗い流すために用意されているシャワー。それらのうち一つを手に取った萌香の口元が、
意地悪く吊り上った。
 ジャ――!!
「あぅぅっ!!」
 萌香が水流をいきなり最大に近いレベルにして、瑞貴の胸から股間にかけて直撃させる。
瑞貴は逃げようとするも、萌里がガッチリと捕獲してそれを許さない。
しかも捕えると同時に、その体を楽しむように撫で回しながら。
「ごめんね〜みずきちゃん。襲われないように見張っててあげるなんて言ってたけど、こりゃ襲っちゃうわ。
すべすべの脚に、ぷりっぷりのお尻に…それから水着をぷっくりさせちゃってる、コリコリ乳首!」
 ギュッ!! くりくりっ…
「やあっ!!はっ……!」
 萌里の指先が瑞貴の乳首をつまみ上げ、ねじってはその先端を爪で刺激する。
幾度となく瑞貴を遊び道具にしてきた彼女たちには、彼の性感帯はお見通しだった。
「ほんとにここ、弱いんだよね〜みずきちゃんは」
「弱いっていうか、大好きなんでしょ」
 萌香もシャワーの水を一旦止め、シャワーヘッドそのものを瑞貴の平らな胸にこすり付け、敏感な乳首をより責め上げる。
「はぁぁ…ぅ……」
「好きじゃないなんて言わせないから。ここもこんなにさせちゃってるし!」
 ぐりっ!
「はぅぅ!あ…」
「なにこれ、プールに来たときより硬くて、ギンッギンにしてる!みんなに見られるのが、そんなによかった?」
「あっ…ん……」
「もう、水着突き破りそうじゃない!女装したのをみんなに見てほしくてたまんない超ド変態ってことでしょ!」
 パチンッ!
「あひぃ!やめて、ぶたないでぇぇ!」
 2人の言葉責めも交えたいたぶりにより、元々怒張していた瑞貴のペニスはより角度も硬度も増して
もはやこのピラピラとした短すぎるスカートでは覆い隠せないほど水着の前を張り詰めさせてしまっていた。
もしこの状態でもう一度プールの前に連れて行かれたら、今度こそ男であることは誰の目にも明らかにされるだろう。

 と、そんな3人の様子を、少し離れた場所からじっと見つめている少女がいた。
瑞貴と大体同じデザインの、小さい女の子向け、それの色違いである水色の水着を着た幼稚園児ぐらいの子だった。
「あ……」
 いつからそこにいたのか気付かなかったが、とんでもないところを見られてしまった恥ずかしさで真っ赤になる瑞貴。
こんなことをしている場合じゃないと逃げ出そうとする彼だったが、萌香と萌里は何を思ったのか
彼を捕まえたままその場から離れようともしない。
「ちょ、ちょっと…」
 そればかりか、萌里は瑞貴を後ろから抱きかかえたまま、その女の子の近くにまで運んでいく。
そして萌香が、その子の目の前で、恥ずかしがって閉じ合せていた瑞貴の両脚を強引に大開脚させた!
「や、やだっ!!」
 何も知らなさそうな女の子の目の前で、水着を突き破りそうな勃起が公開される。

「み…見ないで……」
「わ〜、これなぁにぃ?」
 その幼い女の子は、目を丸くしながらしげしげとそのピンクのテントを見つめる。
「どう?面白い?このみずきちゃんはね、女の子のくせにこんなものつけてて、いっつもこんなカチカチにさせちゃってる
おかしな子なの」
「変だと思うでしょ?この子」
「うん。へーん」
 その小さな娘は今まで父親のものでも男性器を見た経験がないのか、顔を近づけて瑞貴の股間を見つめた後
興味深げに人差し指でそれを突っつき始めた。
「あっ!ああ!!」
 今まで萌香と萌里に責め立てられて感度の上昇していたその突起に、こわごわ突っついてくるその指の刺激は
無自覚だが残酷なものだった。まさかこんな、5歳か6歳ぐらいの女の子の前で射精なんかしていいはずが…

「わぁ、かたーい。ねぇねぇおねえちゃん、なんでこのひとはこんなものがついてるの?」
 まだ名前も知らないその娘は、好奇心いっぱいに瑞貴のペニスを突っついては喘がせながら、そのそばにいる
大きな萌香を見上げて尋ねた。
「それはね、この子が変態だからなんだよ〜」
「!!」
 小さな子にいい加減なことを教える萌香に、瑞貴は言葉を失う。
「へ・ん・た・い?」
「そ。へんたい。女の子にいじくり回されてここをこんなに硬くしちゃうようないけない子は、そう呼ぶの。
そんな変態ちゃんに会ったらね、こうやってくりくりいじめてあげて、しっかりお仕置きしてあげなきゃダメなの」
「うん、わかった。じゃ、あたしもおしおきしちゃう。
いけないへんたいは、やっつけちゃうぞ!」
 つんっつんっ。くりっ。ぷにゅ。
「はぁっあはぁ!!やめ…て…あんん!」
 適当に言ってみた冗談を真に受けて変態退治を始めた年端もいかない女の子と、
その子にいいように弄ばれる瑞貴の姿に、思わずプッと吹き出してしまう萌香と萌里。

 その硬いものをいじってあげているうちに、どんどん好奇心を増して大胆になっていく指。
どんなにつついて押し込んでやっても、すぐさま押し返してくる硬い感触が楽しくて仕方ないかのように。
硬さ、熱さ、そして突いて押すたびに甘い喘ぎを漏らして体をなよなよとよじらせる『お姉ちゃん』の反応が、
その女の子にはとても面白くて、かわいいものに思えてきたのだった。
「すっごぉい。どんどんかたくなってくよぉ。へんたい。へんたい。へーんたいっ」
 覚えたての言葉を連発しながら、面白いおもちゃで遊ぶ幼い女の子。
その、よく意味も分かっていない連呼が、屈辱的なものとしてより瑞貴を精神的に追い込んでいるのだ。
「なかなか、やると思わない?」
「結構、将来有望だよね。この子…」
 萌香と萌里は、瑞貴を取り押さえたままそれを見守りながら半ば驚きを表していた。

 と、ここでその少女は白い歯を見せてひときわ悪戯っぽい笑顔を浮かべると、今まで瑞貴を無邪気に責めいたぶってきた
人差し指を親指に引っかけ、大きな溜めを作りながら彼の剛直に狙いを定め直した。
「へーん…」
「ま、まさか…ちょっと、やめ……」
「たいっ☆」

 べちぃんっ。

「ああ!!ああぁは――――!!」
 びくっ、びゅくん、どぷぷぷ―――――――っ!!
びゅるっびゅるるるる…… ぼたっ、びちゃびちゃ……


「あーあ、どんだけ恥知らずなの、みずきちゃん。こんなちっちゃな女の子にいじくられてイっちゃうなんてさ」
「女装大好きマゾにロリコンまで追加?変態すぎ」
 突然起きた異変に目を点にした幼い少女を前にしたまま、2人の長身双子少女は果ててしまった女装少年をなじりつつ
強烈な水圧のシャワーを浴びせて彼のぶちまけた白濁を洗い流していく。
シャワーの水は瑞貴の着るピンクの水着を内側から汚した白い粘液を洗い流し、それは瑞貴の股間部分から流れ落ちて脚を伝い、
塊となって水に乗ったまま、幼い娘の立つ足元にある排水溝へと姿を消していく。
彼に大噴射をさせた名も知らない娘は、その見たことのない液体の流れを不思議そうな目で見つめているだけだ。

「ありがとね、お嬢ちゃん。おかげで、どうしようもない変態ちゃんが退治できたわ」
「君、結構素質あると思うよ。じゃぁね」
 萌里は精を抜き去られてぐったりとしている瑞貴を片腕で抱っこしたまま、その小さな女の子に手を振って更衣室へと消えていった。
萌香も彼女の見せた才能を称えながら、同じように去っていく。
「ほんと、はしたない子。みずきちゃんってば。これは帰ってからお仕置きね」
「で、今度はどうする?外でプリキュアのコスプレでもさせる?」
 楽しそうに話しながら帰っていく2人の大きなお姉ちゃんを見送りながら、
なんだかわからないけどとても楽しかったさっきのことに目を輝かせ、胸をドキドキさせている幼女が残って立っていた。


 つづく





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