01.入学式
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中学を卒業し、憧れのD学園スポーツ選抜クラスに進学が決まった僕、神宮寺太郎。
いよいよ待ちに待った入学式当日を迎えた訳だが・・・・・・
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「はいっ」
小気味良い返事が続く。
日本一のマンモス高校ともなると新入生の点呼だけでも1時間ほど掛かってしまう。

僕の名前は神宮寺太郎。
D学園の入学式で、自分の名前が呼ばれるのを今や遅しと待ちわびている。
それにしてもまさかこの僕が、あの有名な『D学S組』に入学できるとは夢にも思っていなかった。

小さいころから運動は苦手だった。
小学生になって始めたサッカーでも6年間補欠続きだった。

中学に入って、監督から与えられた仕事。
持ち前の粘り強さで、相手のエースを密着マークすること。
これが僕の資質に見事にマッチした。

3年生で初めてレギュラーに選ばれると、相手の嫌がる選手として大活躍。
優秀なチームメイトにも恵まれて、全国大会の優勝を経験することになった。

この経歴で『D学S組』の入試を受けた訳だが、正直合格できるとは夢にも思っていなかった。
自分が強運の持ち主であることは間違いないみたいだ。

「1年S組。伊豆野直哉くん」
「はいっ!」
「磯崎浩二くん」
「はい。」

S組の順番が来た。
担任は小森実夏先生。
さっき挨拶したばかりだが、小柄で若い女の先生だ。

僕は名簿を見ながら、クラスメイトの顔と名前を一致させていった。
いよいよ次は僕の番だ。

「神宮寺太郎くん」
「は〜いっ!」

僕は自信満々に、精一杯大きな声で返事した。
S組に入学できたことが誇らしかった。

「続きまして女子。秋元麗香さん」
背の高い女性。
陸上の短距離選手らしいが、ちょっとプライドの高そうな雰囲気だ。

「五十嵐夕菜さん」
顔は可愛らしいが、水泳部ならではの逆三角形の体つきが制服の上からでも良く分かる。
そして何とも目立つのがその巨乳・・・・・・。
目のやり場に困ってしまう。

「海江田舞さん」
今までに輪を掛けて背が高い。
バスケットの選手みたいだ・・・・・・。

「柏木真央さん」
これまた見たこともないような長身。
でも、少しおっとりした感じの優しそうな女性。
お嬢様的な雰囲気が漂っている。

「金山淑恵さん」
ちょっとツンとした強気な感じ。
テコンドーの選手か…珍しい。

「喜多嶋佳織さん」
で…デカい・・・・・・。198センチ!
さすがはバレーボール界のニューヒロイン。
恐らくこのクラスで一番有名なアスリートだろう。
笑顔がとてもかわいい。

「紺野美咲さん」
これまでの女子の中では一番細身な彼女。
それでも新体操のオリンピック選手だけあって、スタイルは抜群だ。

「徳留里奈さん」
柔道の選手らしいが、モデルのような長身スレンダーな体型。
大人の女性といった雰囲気が漂っている。

「知念美由紀さん」
空手家らしい。視線が鋭くて怖い・・・。
あまり近寄らないほうが良さそうだ。

「花岡愛美さん」
彼女は本当にバトミントン選手なんだろうか?
確かに身長は高いがセクシーアイドルのような色っぽさを感じる。

「広末七海さん」
この娘もテレビで見たことがある。
喜多嶋さんと一緒にオリンピックに出てたバレーボールの選手だ。

「藤崎綾乃さん」
なんだコイツ…。超デカイ娘ギャルだ。
それでも全身の筋肉が異常に発達しているのが分かる。

「松浦ひとみさん」
この人もテレビで見たことがある。
プロのテニスプレイヤーだ。
長身ではあるが、女の子らしくてかわいらしい印象だ。

「御手洗智子さん」
わっ…すごい胸板。
レスリングの選手…なるほど・・・・・・
勝気な性格がこちらにも伝わってきそうだ。

「最後に安岡和美さん」
短髪でボーイッシュな女の子。
ソフトボールの選手らしく、こんがりと日焼けした肌が目立っている。

「以上1年S組、男子15名女子15名 計30名で御座います。」
小森先生の声にあわせて、僕らは揃って深々と頭を下げた。

「クスクスクスッ・・・・・・」
「ざわざわざわ・・・・・・」

場内が騒がしい。
が、それもそのはず・・・・・・

女子の方が、男子より頭ひとつ背が高いのだ。
一番背の高い男子よりも、一番背の低い女子の方がまだ高い。
平均身長にすると20センチは差があるだろうか。
この差はさすがに見逃せない。

さらに身長だけではない。
体格も、女子の方が随分大きくて逞しい。
まったく同い年だと言うのに・・・・・・

僕ら男子は少し惨めな思いがした。
折角憧れのD学S組に入学できたと言うのに、入学式早々笑いものになるとは・・・・・・

こうして1年S組男子の多難な前途が幕を開けた。

つづく





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