03.初めての友達
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高校生になって初めてできた友達、卓球部の蔭山翔太くん。
一見オタクっぽい彼の、とんでもない秘密とは……??
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僕にはとんでもない友達ができた。
卓球部の蔭山翔太くん。
いつも愛用のノートパソコンばかりを眺めている。
他人と会話しているところなどほとんど見たことがない。

そんな一見オタク系の彼であるが、実は世界政府直属の情報分析官なのだ。
5台の偵察衛星と340台の超小型防犯カメラを駆使し、この街の情報すべてを把握しているという。
さらに約600人の偵察官が、彼のために情報を集めているらしい。
ウソのような話であるが、僕はもう完全に信用しきっている。

「おめでとう、キミは僕の友人に選ばれたよ!」

そんなひと言から僕と彼との友人関係は始まった。
最初はかなり胡散臭い奴かと思った。
しかし僕の家族のことに始まり、趣味趣向のこと、生活のこと、夕食のメニューに至るまで、
すべてを言い当てる彼を見て、僕は信用せざるを得なくなった。

キミはこの街で一番口の堅い奴だから。
そういう理由で彼は、僕にだけいろんな情報を教えてくれる。

「太郎くん。今日はキミにひとつだけいいことを教えてあげよう。」

これが翔太の口癖。
僕にとってはどんな情報が聞けるのかと、胸が高まる瞬間でもある。

「今日はキミが思いを寄せている喜多嶋佳織さんのことだ。」

彼には隠し事など通用しない。

「彼女はご存知の通りオリンピックの金メダリスト。
 並外れた運動神経の持ち主だ。
 父は優秀な外交官だが、身長は160センチほどと小さい。
 母は元陸上選手兼モデルで身長も高く、彼女は恐らくお母さんの遺伝子を多く受け継いでいる。
 2歳年上の兄と、7歳年下の妹がいる3人兄妹。
 性格は極めて温和で明るく正義感も強い。
 まぁキミが惚れるのも理解できなくもない……。」

どうやら僕の印象通りのようだ。
僕はこれで安心して彼女に恋心を抱くことができる。

「恋心の結末についても分析はほぼ終わっているが、
 これを教えるのは流石に止めておこう。」

珍しくニヤッと笑みを浮かべた翔太の表情がすごく気になった。

僕の高校生活はこの翔太の存在によって、ますます充実したものとなるのであった。

つづく





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