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マッスルエンジェルス2 〜沖縄海戦〜

マッスルエンジェルスの新人隊員、美雪が惨殺された。
犯人は独立国家沖縄の独裁者、喜屋武怜子。
彼女は想像を絶する巨体の持ち主だった。

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隊長の桃子は泣いていた。
彫刻のように美しい筋肉を大きく震わせながら。

木箱に詰められた遺体が発見されたのは今朝未明のこと。
それはマッスルエンジェルスの新人隊員、美雪のものだった。

無敵を誇るマッスルエンジェルスの隊員が殉職するのはこれが初めて。
さすがの桃子も動揺を隠せない。

彼女の遺体には銃や武器による外傷はまったく見られなかった。
素手により撲殺され、圧縮されて木箱に詰め込まれていた。

『マッスルエンジェルスをこんな目に遭わせる敵がこの世に存在するなんて…』
現場の人間は誰もが震えていた。

桃子は、美雪が書いた最期のレポートに目を通す。
彼女は独立国家となった沖縄で、内偵捜査の真っ最中であった。

『美雪…。絶対仇は取るからね…。』
桃子は美雪の亡骸にそう誓った。

独立国家沖縄。
首都の街を見下ろせる高台に、白亜の大豪邸が建っていた。

恐ろしく天井の高いこの建物の主は、喜屋武怜子。
独立国家沖縄の独裁者である。

彼女の驚くべきところは、身長3メートル25センチ、体重420キロという並外れた巨体。
その強さは想像を超えており、彼女に刃向かうものは容赦なく殺される。
実際これまでにも数多くの男たちが彼女に潰されてきた。

そんな怜子は今、自らの豪邸で巨大なベッドに横たわりながら食事を楽しんでいた。

彼女は全裸である。
その巨大な裸体には5人の男が群がっている。
いずれもまだ幼さの残る美少年。
彼らもまた全裸であった。

彼ら美少年は全身を駆使して巨大な怜子を喜ばせる。
210センチという巨大なバストは、左右1人ずつの美少年が担当する。
さらに陰部に1人と両足に1人ずつ。
身長160センチほどしかない彼らが巨大な怜子に群がる姿は、まるで動物の授乳を見るようであった。

やがて怜子の右手が美少年の股間に伸びていく。
彼女は太い指を器用に動かして、白いロウソクのように初々しい美少年の肉棒を刺激する。

「あっ…あっあーーーーっ!!」
美少年の体はすぐさま反応した。
恍惚の表情を浮かべながら、新鮮な白液をドクドクと放出する。

やがて彼はイキ果てた。
怜子の右手には大量の白液がたっぷりと掛けられている。
彼女はそれを口に運ぶと1滴残さず丁寧に舐めまわす。

これこそが彼女の食事であった。
ここ10年以上、怜子はまともな食事を口にしていない。
年若き美少年の放出する良質な白いタンパク質のみが、彼女の栄養源であった。
彼女が異常なサイズに成長したのも、この特殊な食事が影響しているのだろう。

イキ果てた美少年は、怜子の身辺を任された屈強な女兵士によって別の美少年へと取り替えられた。
この屋敷には、世界各地から700人を超える美少年が性奴として連れて来られている。
彼女の食欲を満たすには十分な量であった。

美少年200人分ほどの食事を楽しんで、彼女の空腹は満たされた。
群がる彼らを片手で払いのけ、彼女は浴場へと向かう。

大理石で作られた大型の浴槽に身を投じる。
浴槽の湯が大量に溢れ返る。
湯の色は白色に濁っていたが、温泉を引いている訳ではない。
この浴湯もまた、美少年から搾り取った白液を利用しているのだ。

怜子の巨体を支える腕や脚は筋肉質で逞しい。
しかしバストとヒップは女性らしく丸みを帯びて発達している。
特殊な浴場で日々磨いているその肌は、他に例を見ないほど瑞々しく弾力がある。

彼女はそんな浴槽に浸かりながら、1週間前の闘いのことを思い返していた。
あの時負傷した右手首は、既にほぼ完治している。

これまで怜子は数多くの男たちと闘ってきた。
いや正確に言うと闘っていたのは男たちだけであり、彼女は軽く相手をしていたに過ぎない。
怜子の巨体から産み出されるパワーは異次元のレベルにあり、男たちは何をしなくても簡単に潰れていった。

だがあの時現われた女だけは違っていた。
怜子より遥かに小柄であるが、これまで見た男たちよりは随分逞しく発達した筋肉美を誇っていた。

そんな女戦士をいつもの愚かな男たちと同じレベルと思っていた怜子。
しかしそんな筋肉女の放ったハイキックは予想の何百倍も速く強烈だった。
かろうじて右手でガードした怜子だったが、手首がボキッと音を立てた。
怜子がダメージを受けたのはこれが初めてだった。

自慢の肉体を傷付けられた怜子は烈火のごとく怒りたった。

3メートル25センチの巨体が風を切り裂く。
そのスピードに筋肉女はまったくついていけなかった。

強烈なパンチで体が舞い上がる。
ドラム缶のように太くて逞しい膝が突き刺さる。
ダメージを追った女の腹部に怜子が座り込む。
420キロの体重で女を押さえつけながら、ボーリング球のような重い拳を何度も振り下ろす。

即死だった。
いかに鍛え上げられた筋肉女でも怜子の見せる本気の前には成す術がなかった。
マッスルエンジェルス初の敗北。
沖縄の独裁者怜子は、経験の浅い新人隊員にとって余りある強敵だったのだ。

怜子はあの興奮を未だに忘れられなかった。
痛み、恐怖、怒り…。
初めて味わった闘うことの実感。
彼女はまたそれを味わいたいと思っていた。

そんな時、浴場にひとりの女兵士が入ってきた。

「怜子様…。米軍の揚陸艦が先ほど那覇港に到着致しました。
 およそ300人の特殊部隊員が乗船しています。
 明日の夜にでも、この屋敷に奇襲をかけてくるものと思われます。」

「分かったわ。明日、昼間のうちに片付けてくる…。」

彼女はそう言うと再び白液を頭から浴びた。
白液の掛かった長い黒髪は、何ともいえない艶やかな光沢を放った。

翌日。
那覇港にはアメリカ軍の揚陸艦が停泊していた。
ここにはドナルド大佐率いる300名の特殊部隊が待機している。

『いよいよ今夜だ…』
夜襲に向けて仮眠を取るための時間だったが、大佐は興奮して寝付けなかった。

シミュレーションは完璧に終わっている。
敵の屋敷にいるのは大将の喜屋武怜子と女の兵士が50人程度。
他に千人近い奴隷が拘束されているが、ほとんど戦力にはならないと分かっている。
敵は重火器を持たず、刀や槍といった原始的な武器がわずかにある程度。

『負ける要素などまったくない…』
大佐はそう信じたかった。

しかし彼には不安要素もあった。
前に怜子の命を狙った特殊パラシュート部隊の兵士50人が返り討ちにあったという事実。
さらにその50人分の遺体がミンチとなってトラックで送り返されたという敵の残虐性。

そのため今回は300名の特殊部隊を率いて万全を期している。
それでも彼の脳裏には、謎の多い敵に対する恐怖心がわずかに残っていた。

「ズキューーン、ズキューーン!!」
突然彼の耳に聞き慣れた銃声が届いてきた。

「ドドドドドドドドド!!!バキューーン!!キーーン!!」
間違いない。
アメリカ軍の銃声。
隣室で控えていた警護隊長が即座に駆けつけてきた。
他に2人の警護隊員も行動を共にしている。

「何事だ?」
「まだ分かりません。」

ドナルド大佐は無線機を手にした。
甲板で控える第一部隊隊長に尋ねる。

「ウィリアムズ隊長!何事だ!報告せよ!」

「て…敵襲です!」

「敵襲だと???敵は何者だ!!」

「素手の女がひとり…。
 とんでもないデカさです…。信じられん……。
 すっ…スゲぇパワーだ…。バケものか…………。」

「どうした!何が起こっている??」

「ひっ…ひっ…やっ止めてくれ…。たっ頼む…。
 イッギャアアアアアアアアアアーーッ!!!!!!!!!」

「どうしたーーーっ!!大丈夫かーーーーっ!!!」

「……………………」

交信が途絶える。
ドナルド大佐はすかさず第二部隊隊長に無線を繋ぐ。

「そっちはどうなっている?大丈夫か!!」

「……………………」

返事は返ってこない。
大佐は甲板で起こっている異常事態に恐怖を感じた。
しかし冷静になって物事を考え直す大佐。

「ここにいても情報が入らない。私たちも甲板に向かおう!」

ドナルド大佐と3人の警護隊は慎重に廊下を進んでいった。
ひとつひとつのドアを丁寧に確認しながら前進していく。
そして最後の扉を開け放ち、甲板へ降り立った。

このとき既に銃声は止んでいた。
沖縄の太陽がまぶしい。

目の前に広がる光景は、まさに地獄絵図だった。
甲板には一面の血の海が広がっていた。
300人近い特殊部隊員がひとり残らず惨殺されている。
わずかに数人だけうめき声を上げているが、もはや意識は残っていない。

ある者は頭を砕かれ、またある者は両腕両足をもぎ取られていた。
上半身と下半身が引き千切られ、内臓が散乱している遺体は数多くある。
5人から10人ほどの肉の塊りも、甲板上に数箇所積み上げられていた。

さらにそれだけではない。

夜襲に使う予定だった戦車3台はスクラップにされ、
威力を発揮する予定だった2台の戦闘用ヘリも原型を留めていない。

ドナルド大佐と3人の警護隊員はただ呆然と立ち尽くしていた。

すると、まぶしかったはずの太陽が突然暗くなった。
目の前に現われた物体によって影ができたのだ。

大佐が見上げる。
そこにはひとりの巨大な女性が立っていた。
セクシーな黒革の衣装に身を包んだ彼女。
腕の中では、無残にも捻り潰された数人の兵士が永遠の眠りについていた。

「あなたがここの大将ね♪」
女は明るい声でそう尋ねてきた。

デカい…。
とにかくデカい。
3メートル25センチの巨体はおそらく陸上生物で最大。
身長1メートル90センチを誇る大柄な大佐でも、視線は腰の位置に過ぎない。

脚1本の太さが小柄な相撲取りに匹敵する。
上方に控える巨大なバストは両腕でも支えきれそうにない。

それでありながら全身に余計な脂肪は一切なく、筋肉で引き締まった体をしている。
肌は少女のようにピチピチとしていて瑞々しい。
可愛らしい顔がより一層男達を恐怖に陥れた。

警備隊員の男がマシンガンに手を伸ばす。
しかしそれを察した怜子の右手が男の目の前にさっと伸びてくる。
気が付けば男の目の前には怜子の巨大な右拳が待機していた。
その迫力に動きが止まった男。

次の瞬間、怜子の人差し指が弾かれた。
強烈な『でこピン』が男の顔面に炸裂する。
たった指1本の力だがその衝撃は凄まじく、男の頭部は首から90度折れ曲がった。

圧倒的な力を見せつけた怜子。
その恐怖感に耐え切れず、2人目の男がピストルを抜いた。

「ズキューーン!ズキュウーーン!」
しかし銃弾は当たらない。
怜子はその圧倒的なスピードで男の視界から消えていた。

怜子を見失った男は必死になって標的を探す。
しかしあの巨体がどこにも見つからない。

「はっ!!!」
太陽が暗くなって男が気付いた瞬間、怜子が空から降ってきた。

男の最期はスローモーションのようにゆっくり感じられた。

空から降ってくる頭上の怜子を見上げた男。
その首筋をドラム缶のような巨大な太腿がすり抜ける。
男の顔面には彼女の股間が直撃した。

そのままの勢いで怜子が男に圧し掛かる。
420キロの重量をまともに受け、男の体はメキメキと圧縮し始める。
まず首が潰れ、胴体が潰れ、さらに両足がハの字に潰れる。
そして最後に彼女のヒップと床に挟まれて、男の頭部が「プチッ!」という音を立てて破裂する。

美しい圧死だった。
あまりの衝撃に大佐と警備隊長の2人は腰を抜かして座り込んだ。
座り込むことで怜子との身長差はますます大きくなった。

「観念したのね…。」
立ち上がった怜子がそうささやいた。

警護隊長の頭に彼女の足の裏が迫ってくる。
サイズにして45センチは下らない巨大な足。
警護隊長の顔よりは明らかに大きかった。

恐怖で引きつる警護隊長の顔面に怜子の足の裏が触れる。
彼女がゆっくり体重を掛けていくと、隊長の体もゆっくりと倒れていく。
そして彼の体は完全に横たわった。

もはや警備隊長の命は風前の灯。
怜子は彼の顔面を優しく踏みつけながら、笑みを浮かべていた。

「…そんなひ弱な体で私に刃向かうなんて愚かね…。
 あの世でゆっくりおやすみなさい♪」

そう言うと彼女はゆっくりと体重を掛けていった。

「メキメキメキメキメキーーーー……」
「プチッ!!!!!!」

警備隊長の脳みそが美しく弾け飛んだ。
特殊部隊の中で最強を誇る彼も、怜子の前にあっけなく踏み潰されてしまった。

最後の1人となったドナルド大佐にも、彼女の巨大な右足が迫ってくる。
恐怖で引きつる警護隊長の顔面に怜子の足の裏が触れる。

しかし怜子はドナルド大佐を踏み潰そうとはしなかった。
逆に足の親指と小指を使って大佐の頭部を掴み、彼の体ごと足で持ち上げ始めた。

足の指を使ってのアイアンクロー。
巨大な怜子だけができる大技。

大佐の頭部を足で掴んだまま左脚を高く掲げる怜子。
巨体に似合わず驚くべき柔軟性を見せる彼女の180度開脚立ち。
大佐の体は地上4メートルの高さにまで上昇した。

足のすき間から沖縄の美しい海が見える。

「私の楽しみを邪魔しないでね♪」
彼女はそう可愛くささやくと、右足にゆっくりと力をこめた。

「ゴキゴキゴキーーーーッ!!!」
「プチッ!!!!!!!」

三度鳴り響く破裂音。
凄まじい音と共に、ドナルド大佐の頭部が潰された。
沖縄制圧を狙った特殊部隊が全滅した瞬間だった。

怜子の大きな体が沖縄の海と太陽をバックに美しく光り輝く。

『もっと熱い闘いがしたいわ…。』
横たわる300体の遺体を見渡しながら、彼女はマッスルエンジェルスとの戦いを心待ちにしていた。

つづく





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