続・やきもちアマゾネス その3

 〜 その日の昼休み 〜

 その日の昼休みが始まると、待ちかねたように指南してくれた友達がやって来ました。
菅生さんは僕の男友達については全然気にしていないようで、自分も昼休みは他の女子と
話して時よりこちらに目をやっている程度です。今日はなぜか話し相手の女子も僕の方に
チラチラと視線を向けるのがいつもと違いますが・・・

 菅生さんの股間で気絶した一件を除き、金曜日の放課後から今朝までの一連のいきさつ
を友達に話すと、さすがの友達もしばらく言葉を失っていましたが、やがて、

 「・・・菅生の筋肉が好きだって、お前が自分から言ったのか?」
 と確認してきました。

 僕は黙って、菅生さんが残してくれたメモを友人に見せました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 さっきは、力が入りすぎてごめんね。お詫びに、君の家の近くまで運んであげたから。
 君が、私の筋肉が好きになったなんて、いまだに信じられないけれど、
 これで君に嫌われる心配なく思いっきり体を鍛えられると思うと、凄く嬉しいわ。
 明日から合宿で、週末は会えないけれど、月曜の朝はこの公園まで迎えに来てあげるから、
 7時にここのベンチで待っててね。
                            菅生 栞

                  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 「これからは思いっきりって・・・あいつ、今までの化け物じみたトレーニングは全力
  じゃなかったというのか!?」

 友人はメモの違うところを見てしばし絶句していましたが、確かに僕が自分から菅生さ
んの筋肉を好きだと言った証拠を確認すると、
 「そうか・・・・・じゃあそれはお前の深層心理なんだろうな・・・・でもどうする?
  あいつの事だからこれからは事あるごとにあの筋肉をお前に擦り寄せて来るぞ。少し
  でも逃げ腰になったら、怪しまれるんじゃないかな?」
 と助言してきました。

 「今朝早速触ってみろと言われて触ってみたけど、先週まであんなに怖かったのに、今
  朝は全然気味悪く無かったから、たぶん大丈夫だと思うよ。」

 「やっぱりお前は深層心理で好きなんだな、筋肉モリモリの大っきな女性が・・・」
 「・・・・・・」

 菅生さんの筋肉を触っていた時の僕自身の反応を全然覚えていない僕は、何も答えられ
ませんでした。

 「そういえば、おまえのお袋さんも菅生ほどじゃないけど大きいよなぁ〜・・・」
 「そ、それは関係無いよ!」

 「とにかく、言ってしまったんだから、これからは菅生の筋肉に毎日頬ずりするなりし
  て、徹底的に甘えてみる事だな。向こうから言われる前に触る許可をお前からお願い
  する位しないと、怪しまれるぞ」
 「そ、そんな物かなぁ・・・」

 「あいつが今以上の筋肉の化け物になるかも知れないんだから、お前がどれだけあいつ
  をハッピーにできるかに全校の男子の命運がかかってるんだぞ。頑張れよ」
 「そ、そんなぁ〜・・・」

 〜 その日の放課後 〜

 終業ベルが鳴ったらすぐに自転車置き場に来るように言われていた僕がそこに着くと、
ほぼ同時にウェアに着替えた菅生さんが現れ、今朝乗った自転車を出すと有無を言わさず
僕を後部座席に乗せると、猛然と漕ぎだしました。終業から自転車部の練習が始まるまで
の15分間で僕の家まで往復しようというのです。

 『部活のある日の帰りはいつもこんな感じで慌ただしくなるし、急ぐからあまり筋肉触
  らせたりできないけど、いいよね?』
 国道を時速50キロで流しながらそう聞く菅生さん。

 「前もって判っていれば、部活が終わるまで待っててもいいけれど・・・」
 『終わるの6時半過ぎるから、家に着くの7時頃になっちゃうけど、ご家族の方は大丈
  夫なの?』
 「火曜日と木曜日以外は、7時半まで家に誰もいないから大丈夫だよ」
 『そう・・・・あ、もうすぐ細谷君のお家ね。明日の天気予報雨だから、明日は7時
  10分前に迎えに上がるけど、いい?』
 「え・・・あ・・大丈夫だよ。合羽着て行けばいいんだっけ?」
 『濡れると困るから、制服は袋に入れて、Tシャツと短パンの上に合羽を羽織ってね。
  あ、着いたわ。じゃあ50分に迎えに行くから、また明日!』

 最後の言葉は僕を座席から抱き上げて玄関の前に置きながらでした。僕は呆気に取られ
ながらも反転して急速に遠ざかる菅生さんの自転車を見送りました。


 〜 翌朝 〜

 朝、起きてみると予報通り雨がやや強く降っていました。2日連続で早出だし、これか
らも続くので、母さんに朝食の時にこれから毎日お迎えが来る事になったことと、その相
手が今日は自宅に迎えに来る事を伝えました。

 『おやおや、毎日迎えに来てくれるとは熱心な彼女だねぇ〜。あんたのどこが気に入っ
  たんだか・・・で、どんな子なんだい?』
 といきなり核心を衝いた質問が返って来たのですが、
 「50分になったらここに来るから、僕の口から言うより直接見てみたら?ちょっと一
  言では説明しきれない子なんで・・・」
 とかわしました。

 朝食を食べ終わり、今日は制服を着ないでTシャツと短パンで待つようにと言われた事
を思い出して着替えていると、約束より10分近く早い時間に「ごめんくださ〜い」と菅
生さんの声が玄関先から聞こえて来ました。すぐに母さんが玄関に出て行く足音が聞こえ、
母さんと菅生さんが何やら話し始めるのが聞こえてきました。僕は慌てて支度を急ぎまし
たが、制服入りの袋と鞄を持って玄関に出るのに3分以上かかってしまいました。玄関に
着くと丁度母さんが、

 『・・・直己の事をよろしくお願いします』
 と言って菅生さんにお辞儀している所でした。母さんも元バレー選手だけあって180
cm近くあるのですが、菅生さんの巨体の前では小柄な女性に見えてしまいます。
 『こちらこそお願いします・・・あ、細谷君、おはよう!』

 母の後ろに僕の姿を見つけた菅生さんが、お辞儀を終えるとすぐに僕に声をかけて来ま
した。1週間前までは恐怖しか感じなかったウェア姿の筋肉ボディーが、「好きだ」と言
っただけで魅力的に見えてしまうのは、やはり深層意識のなせる技なのでしょうか?それ
とも、今日の菅生さんが先週と違って幸せそうに微笑んでいるからなのでしょうか?

 「待たせてごめんね。 それじゃ、行ってきます。」後半は母さんへの挨拶です。
 『気をつけて行っておいで。こんないい子滅多にいないから大事にするんだよ』
 と肝っ玉ぶりは相変わらずの母さん。
 『そんな・・・褒めすぎですよ・・・それでは、直己君をお預かりします』
 さすがの菅生さんも、母さんの肝っ玉ぶりには珍しく気押され気味のようです。
 「か・・・母さん・・・変なこと言わないでよ」
 僕も顔を赤くしながら、そそくさと靴を履いて外に出ます。

 外に出ると、昨日と同じ自転車が止めてあり、後部座席に乗ろうとするといきなり菅生
さんに抱き上げられ、昨日と同じように椅子に座らされます。
 「ひ、一人でできるからいいよ」と抗議すると
 『自転車も椅子も高いから、汚されないように私が座らせるからね・・・それに、少し
  でも私の体に触れる機会を増やそうとしてるんだから、文句言わないの』
 と顔を赤らめながら反論する菅生さん。2人とも合羽を着てるので、触れ合うといって
も合羽越しにしかならないけれど、言われてみればその通りでした。

 「あ・・・ありがとう・・・」
 『それじゃ、今日も朝練行くわよ!』というと、ゆっくりと自転車を漕ぎ出す菅生さん。

 少し早めに迎えに来たので、時間を無駄遣いしたのに予定通り50分に出発すると、今
日は学校への道を走りだします。雨なので慎重に走っても、10分とかからずに学校に到
着しました。
 『今日はここで自転車を乗り換えるから、荷物と合羽は私のロッカーに入れておくわ』
 「荷物はともかく、合羽は・・・」
 『いいから一緒に来て』というと有無を言わさず僕を抱き上げて部室に向かう菅生さん。

 僕の鞄と制服をロッカーに入れると、僕の合羽を脱がして同じくロッカーに掛け、自分
も合羽を脱ぐと何やらリュックサックにカバーがかかったような物を取り出しました。
ベンチの上に置かれたそのリュックは、背負う人の背中に当たる部分に布が無く、両脇の
上端と下端にも円い穴が開いています。
 『さ、Tシャツを脱いでからここの真ん中に座って、4つの穴に両手両足を通してね』
 というと自分もウェアの上を脱ぎ始める菅生さん。どうやらこのリュックは僕を背負う
ためのハーネスのようです。でも、どうして上半身裸にならないといけないのでしょう?

 菅生さんは新しいウェアを着ましたが、そのウェアは背中に大きな穴が開いている奇妙
なデザインでした。
 リュックの中に入った僕は質問する間も無く菅生さんに背負われ、収まりが良くなった
所でギュッと肩紐を締められ、固定されました。その状態になると、裸になった僕の上半
身が、菅生さんのウェアの背中の穴にちょうど密着する状態となり、僕の脚はちょうど菅
生さんの(相対的に)細くくびれた腰を挟むような形になりました。僕の頭は菅生さんの
頭とほぼ同じ高さになり、左右どちらの肩にも顎を乗せて休めるだけの可動範囲がありま
す。両腕もほぼ自由に動かせ、首にしがみつく事も、逆に脇の下に腕を回すこともできま
す。もっとも、両脇の下の間隔だけでも僕の肩幅の倍近くあるので、精一杯腕を回しても
彼女の乳房の始まりの部分までしか届きません。

 次に菅生さんはやわらかい幅広のタオル地の帯を取り出すと、それで僕の両足首の間を
少し余裕を持たせてしっかりと結び、僕の脚が彼女の腰から外れないようにしてから、2
人を覆うようにポンチョを羽織り、自転車置き場に向けて歩き出しました。 

 『頭の後ろにフードがあるからかぶってね。痛かったり苦しい所は無いよね?』
 足早に歩きながら僕に尋ねる菅生さん。リュック型のハーネスの内張りは柔らかく、学
校までの自転車登校で温まった菅生さんの体温が直に伝わってくるからか5月の雨なのに
寒くもありません。
 「うん、思ったより快適だけど、こんなの背負って菅生さんは重たくないの?」
 『先週までは70kgの重りを背負っていたから、今日は少し軽いくらいよ。生身の人
  間を背負って斜面コースを走るのは初めてだから、今日は少し軽めにしたのよ』

 ここで自転車置場に到着した菅生さんは、今まで見たことの無い頑丈なマウンテンバイ
クを取り出し、僕に気をつけながらゆっくりとまたがると、慎重に漕ぎ出して行きました。
3分ほどで、学校の裏山の登山道の入り口に着きました。
 『往復15分のコースを2往復するけど、1回目はしっかりつかまっていてね。じゃ、
  行くわよ』

 というと、傾斜15度はあろうかという急な上りの登山道をぐいぐいと登り始める菅生
さん。僕は左右にゆれる菅生さんの背中の上で、目を閉じて彼女の筋肉が盛り上がった首
筋にしっかりとしがみついていきました。うねうねと登る未舗装の細い登山道を左右に曲
がるたびに彼女の背筋がもりもりと動いているのが直接僕の胸や腹に感じられる一方、左
右の足でペダルを漕ぐたびに彼女の腰が僕の股間に軽く当たります。最初のうちはしがみ
付くのに一生懸命で何も感じられませんでしたが、両腕でしがみついている彼女の肩や、
僕が顎を埋めている首筋の筋肉もハンドルを切るたびにモリッ、モリッ、と動いているの
に気がつきました。
 
 5分もかからずに1.5kmほどの坂道を登りきって山頂に到着した菅生さんは、僕を
背負ったまま400m近い山を登りきったのに、軽く息を弾ませる程度でした。
 『上りは持久力の勝負だから楽で、難しいのはコントロールに筋力を使う下りなの。だ
  から気をつけてね。』
 と言うと自転車をターンさせて今来た道を下り始めました。しかし登山道はもともと自
転車が走るような道ではない上に急斜面なので、何と菅生さんは小刻みに自転車ごとジャ
ンプしながら道を下りて行きました。背中に僕を背負っているので、腰を上げて下半身で
衝撃を吸収しながらのジャンプなので、背中に背負われた僕にも上りの時の数倍の衝撃が
伝わって来ますから、彼女の脚と腰への負荷は想像を絶するものでしょう。
 菅生さんは明らかに上りの時よりも余裕は無いようですが、それでも安定したペースで
ジャンプを繰り返し、路面の状態が良い区間は普通に走行したり車輪を滑らせて下りたり
しながら、一度も足を地面に付けずに10分弱で下まで降り切りました。私の方は上りの
時より上下左右の揺れと筋肉の硬さが少し増した菅生さんの上半身にしがみつきながら、
乗り物酔いには強い自分の体質に感謝していました。

 『細谷君、下りも大丈夫だった?あと濡れちゃって寒く無い?』
 2分程度のインターバルに入って、少し息が上がってきた菅生さんが最初に僕の様子を
気に掛けてくれたの喜びつつ、
 「だ、大丈夫だったよ。菅生さんのコントロールのおかげで危ない思いもしなかったし、
  多少濡れても菅生さんの体温で温かいよ。そっちこそ僕にしがみつかれて苦しくなか
  った?」
 と菅生さんを気遣ってみました。
 『そう?良かった。こっちも思ったより安定して降りられたから、せっかく密着してる
  んだかし、次からは手の届く範囲の筋肉どこでも触っていいわよ。さて、3分経った
  からそろそろ2本目行くわよ』
 そう言うと再び登山道の方に向き直り、練習を開始する菅生さん。今度は僕にも多少心
の余裕ができたので、僕が体を預けている広大な背中の躍動する筋肉の感触や、手の届く
範囲の首や肩の筋肉の感触を感じる事が出来ました。
 ところが、下りに入ると今度は少し困った事が起きてしまいました。菅生さんの腰の動
きにつれて少しずつ短パンがずり落ちて行き、その結果僕の大事な部分が直接菅生さんの
背中に当たってしまったのです。亀頭がこすれる感触が気持ちよくて、僕の大事な部分は
すぐに硬くなって来て、その結果こすれる部分が拡大し、急激にフル勃起状態となってし
まいました。もう筋肉を触るどころではなく、菅生さんの肩に口をあててあえぎ声を出さ
ないように必死で声を殺して、射精してしまわないよう必死に我慢しました。

 我慢の甲斐があって、何とか学校に戻るまでこらえる事に成功しましたが、伏兵は最後
に控えていました。
 『お疲れ様。2人とも汗と雨でびっしょりだから、部室のシャワー浴びて行こうね。今
  の時間は誰もいないから部員じゃない細谷君が一緒に浴びても大丈夫よ』
 と言うと菅生さんは小走りに部室に向かい、その上下運動で僕はまた射精寸前に追い詰
められてしまいました。

 ロッカールームに着くとすぐに僕はベンチに下ろされてハーネスを外され、ついに菅生
さんの前に僕の勃起を晒す事となってしまいました。
 「す・・・菅生さん・・・こ、これは・・・」
 『いいのよ、細谷君。あなたの短パンが2本目の下りでずり落ちたのは背中でしっかり
  感じて気がついていたから・・・実は、わざとずり落ちるような動き方をしたの、私
  なの。本当に私の筋肉で感じていてくれるのか、確かめたくて』
 そういうと、一気に僕の短パンを脱がせた菅生さんは、自分もウェアを脱ぐと、僕が抵
抗する間もなくそのまま僕を正面から抱き上げます。これまでのベアハッグと違い、左手
で僕の左腕を持ちながら左腕一本で僕を胸に抱きしめ両腕の自由を奪うと、右手は僕のお
尻を抱き寄せて、僕の勃起を固く隆起した腹筋の谷間にこすりつけ始めました。
 そのままシャワールームに向かう菅生さん、歩く時の腹筋の動きと上下動で僕はみたび
射精寸前に追い詰められます。
 「す、菅生さん・・・や、やめて・・・で、出ちゃう・・・うぷっ」
 必死に懇願する僕の口は、菅生さんのディープキスでふさがれてしまいました。始業前
のシャワー室で2人とも裸のままで、彼女に片腕で30cm以上抱きあげられた状態の、
それが僕のファーストキスとなりました。しかしこれで終わりではありません。

 菅生さんは僕の抵抗を意に介さず、口の隅々までしゃぶりつくしながら、僕の勃起を腹
筋にこすりつける動きを再開し、さらに僕の膝から下を巨大な太股で挟みこんで動けなく
した上で、全身の筋肉をうねらせ始めました。舌を入れられた時点で真っ白になりかけた
僕の意識は、この超強力な愛撫で完全に飛んでしまい、ドピューッ・・・と射精が始まる
感触を最後に記憶を失ってしまいました・・・

 ・・・気がつくと、僕は教室の自分の机の上に突っ伏して寝ていました。あわてて自分
の服装を見るときちんと制服をつけていて、机の横を見ると自分の鞄がちゃんとあります。
時計を見ると8時25分、始業5分前でした。一瞬、今までのは全部夢だったのかと疑い
ましたが、口の中には今朝食べていないはずのグレープフルーツの味が残っていて、少な
くとも誰かとキスをした事は事実だと告げています。 

 「よう、朝から居眠りとは珍しいな。また菅生に何かされたのか?」
 僕が目を覚ましたのを見て話しかける友達。慌てて菅生さんの席の方を見ると、菅生さ
んは物すごく嬉しそうな顔で僕の方に向けてウインクし、自分のポケットの方に手をやり
ました。
 「い、いや、別に・・・ 昨日とは違うコースで朝練に便乗しただけだよ」

 ここで先生が入って来たので会話は中断し、友達は席に戻って行きました。ウインクの
意味を考えながらズボンのポケットに手をやると、メモらしき紙が入っていたので、次の
休み時間に人気のない場所で読むことにしました。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 細谷君。いや、直己君と呼んでいいかな?

 今朝は直己君を試すような事をした上に、また気絶させちゃって、ごめんなさい。直己
君が本当に私の「筋肉」が好きなのか自信がなくて、あんな事しちゃった上に、本当だと
判ったらば今度は嬉しさのあまりいきなりキスまで奪ってしまって、おまけに●●までさ
せちゃって・・・・

 でも、直己君が本当の事を言っていたと判って本当に嬉しかったわ。私、筋肉では誰に
も負けない自信があるから、もうやきもちも焼かなくて良くなったし、これからは直己君
に精一杯尽くしてあげるからね。

 でも、今の直己君の体力と体格じゃ、私とエッチなんかした日には命がいくつあっても
足りないから、明日から私がトレーナーになってちゃんと鍛えてあげるね。月・水・金は
夕食も作ってあげる。

 それじゃ、今日は4時に自転車置場で待っていてね。

                                  栞より
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  
 (わぁ・・・やきもちアマゾネスが、一途なアマゾネスになっちゃった・・・)

 僕は、自分のこれからの人生が、菅生さんの物となってしまった事に気づき、呆然とし
てしまいました・・・・


                            第3話 おわり
 





================

やきもちアマゾネス続編 おまけ : その日の細谷家の夕食後の会話

(「」が直己君、『』はお母さんの言葉です)

 『直己、お前どうして菅生栞さんと付き合う事になったんだい?彼女も私も今朝対面し
  た時、意外な場所で再会したから驚いてしまったよ』
 「一言でいえば、彼女に気に入られちゃったみたい。理由はまだ判らないけど、そのう
  ち聞けるかも・・・でも母さんはなぜ菅生さんに会ったの?」
 『それはね、会社のバレー部の監督に頼まれて、去年彼女にバレーボールへの転向と卒
  業後の入団を勧めるために会ったんだよ。』
 「確かに、あの身長と身体能力ならば楽勝でVリーグどころか全日本にも確実に入れる
  ね・・・でも、どうして断られたの?」
 『彼女いわく、彼女の力が強すぎて相手チームに怪我人か下手すれば死人が出るから、
  事故以外で競争相手と接触する事が無い自転車のロードレースかスピードスケートに
  進みたいとの事だったわ。実際、彼女にスパイク打たせてみたら1回目はボールが破
  裂して、2回目に力を加減して打ったらば今度は的の板に穴が開いたので、これは確
  かに危険過ぎると監督もあきらめが付いたのさ』
 「そんな事があったんだ・・・今朝は3分ほど待たせていたけど、その間ずっとその話
  をしてたの?」
 『彼女と会った時は、彼女の方が現役時代の私の事を知っていて、最初から旧姓で呼び
  かけて来たので、今は細谷姓だって言いそびれてしまったから、そのいきさつを説明
  して、後は直己をよろしくって頼んだだけよ』
 「その、『よろしく』って、どういう意味?まさか・・・」
 『お前さえその気があるならば、その「まさか」まで行っても構わないよ。いくら私が
  女の細腕から程遠いとは言っても、いつ何が起きるか判らないし、彼女がお前の面倒
  を見てくれるなら、こんな心強い事はないさ。自分の将来の進路を決めるのに、まだ
  見たことも無い対戦相手の事まで気遣える子なんて、今時貴重だよ。』
 「でも、母さんはいつも僕に独り立ちできるようにと教えて来たのに・・・」
 『直己は亡くなったお父さんに似て頭は良いけど身体が弱いから、丁度母さんが父さん
  に惚れたように栞さんもお前に惚れてるんだと、お前の話を聞いてピンと来たよ。私
  みたいな女性は滅多にいないから、そんな相手に出会える幸運をアテにする訳にはい
  かないと思って、お前には独り立ちできるよう教育してきたんだよ。』
 「じゃあ、菅生さんと出会った今は・・・」
 『そこからは、お前が決める事だよ。彼女はああ見えても繊細な気配りができる子だか
  ら、本当にお前に必要な事以外はお前に強制する事は無いし、お前がはっきりと断れ
  ばそれがどれだけ彼女にとってつらくても身を引くと思うよ。』
 「でも、栞さんは明日から僕のトレーナーになって身体を鍛えるって今日僕に言ったん
  だけど・・・」
 『それは、お前が独り立ちするに当たっても必要な事じゃないか。身体を鍛えてもらっ
  たからって、お前が彼女の言いなりになる事は無いんだよ。もっとも、お前が彼女に
  人生全てを預けたいというならば、最初に言った通り私は賛成するよ。お前の今の顔、
  もう自分の人生を取り上げられたような表情してるのはそれが理由だったのかい?』
 「う・・・うん。栞さんは母さんより2回りも大きいから、彼女にその気が無くても僕
  の事を簡単に壊してしまえるんだ。それは僕が身体を鍛えてもたぶん変わらない。僕
  が栞さんに預けるとすれば、人生じゃなくて命そのものを預ける覚悟がいるんだ。」
 『お前は栞さんの手加減の能力を見くびってるよ。スカウトを断られてからも彼女の事
  は気になっていたから、彼女が学校の内外の不良共を何人も半殺しにしてるのは知っ
  てるけれど、彼女の実力だったらそいつらを皆殺しにしない方が難しいんだよ。モノ
  は派手に壊してるけど、相手に本当に命にかかわる怪我はさせていないだろ。あの子
  はいつも相手の心を折るのに必要な怪我しかさせていない。だから、お前が命がけで
  反抗したり裏切ったりしなければ、お前の命は大丈夫だよ』

 (ここで直己君が皿を片づけて皿洗いに立って約5分の中断。)

 「つまり、母さんは僕が栞さんに命を賭けてもいいと言ってるの?」
 『栞さんが引き受ける気があって、直己が賭けても良いと思うのであれば、賭けても損
  はないと思ってるよ。まずは、そこを確かめるのが先じゃないかい?お互い、明日婚
  姻届を出さなければいけない訳じゃないし、お前はそもそも来年の誕生日まで出せな
  いんだから』
 「そ・・・それは話が飛躍しすぎだよ、母さん」
 『母さんと父さんみたいに会社ではなく、高校で出会えたのだから、卒業までは相手を
  良く知ることに時間を使ったらどうかい?まだ付き合い出して2日目なんだろ?』
 「う・・・・・うん・・・・・」
 『おや、すっかり話しこんで遅くなってしまったね。明日も朝早いんだから、今夜はそ
  ろそろ風呂に入って寝ないと・・・』
 「本当だ、忙しいのに遅くまで話し込んでごめん」
 『いや、これはお前のこれまでの人生で最大の相談事だから、母さんに話してもらって
  嬉しかったよ。久しぶりに親らしい事ができたからね』
 「そうなんだ・・・でも母さんだってまだ30代なんだから、自分の事をもっと考えて
  もいいんじゃないかな?そうだ、栞さんと僕が一緒になれば、母さんは晴れて自由の
  身だね」
 『馬鹿言ってないで先に風呂入りなさい』


 おわり





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