無敵!レベル1勇者パーティ

【南の大陸、初の人間】
ちょっと寄り道をしたが、ケルト達はシルフィーの希望通り人の住む場所へ移動している。
反射の仙人が教えてくれた西の村。
大荷物を抱えた一行が今襲われると苦戦すると思われたが、幸いにして怪物には会わず村へ到着した。
ベルンダ王国の町はレンガなどのかなり高度な技術を用いた建築物があったが、こちらの村は質素な木造の建物が並ぶ。
「ねぇ、何で村に来たかったの?」とりあえず人の住む場所への執着の理由を聞いてみるケルト。
「ベルンダ王国には無い薬があるやも知れん・・・と思っての。」
「すっかり薬漬けじゃねーか!」ベルの言うとおり、力とバストは成長促進薬によるものだ。これで味をしめたのか?
そんなベルのツッコミを完全無視し、薬屋へと向かう。
しかし・・・
「『当分の間休業します』・・・じゃと!?」薬屋は閉まっていた。
シルフィーの顔にはハッキリ『がっかり』と書いてある。
ドンドン!
休業だというのにとりあえず扉を叩くシルフィー。実にはた迷惑だが、あきらめきれないのだろう。
「・・・すみません。うちは当分の間休ませて頂こうと・・・」主人が出てくる。
「なぜじゃ!?わらわははるばる北の大陸から来たというのに!」
「いや・・・実にお恥ずかしいお話なんですが、うちの子が病気なんです。魔法も効かず、薬も無く、今は看病でそれどころでは・・・」
凄い剣幕で迫るシルフィーに対し、ひたすら頭を下げる薬屋の主人。
「ここは薬屋じゃろ!」
「はい・・・ですが、特効薬が非常に希少なものでして・・・海に住む巨大な獣のヒゲなのですが・・・」
「おっと!やるじゃねぇかライラ。キたぜキたぜ!!」ベルがそれを聞き叫ぶ。
「全くじゃ。そなたの先見の明は大したものじゃ。」無言で照れ笑いを浮かべるライラを手放しに褒めちぎる。
「・・・というわけで休業・・・・」と店主が続けると・・・
「これじゃ!海獣のヒゲ。これでなんとかせい。」大変貴重な品との事だが、今のシルフィーにとってはどうでも良い事だった。
「なんと!これでうちの息子が助かります!」頭を下げ続ける店主。
「これでわらわも助かるのじゃ!」
「・・・と申しますと?」
「ここは成長促進剤を取り扱っておるかの?」ズイっと顔を近づけて迫る。
「残念ながらそのようなものはございませぬ。
ただ・・・この村には薬剤の仙人という方がおられましてそのお方ならば・・・」
「ほう。案内せい!」もう勢いは止まらない。
「ちょ・・・ちょっと待てよシルフィー。
大体さ、その店主の子供を薬剤の仙人とやらが治してやりゃ良い話じゃねーか。
それができないようなら全然期待できないぜ。」ベルが尤もなことを言う。
「いえ・・・薬剤の仙人に不可能なことなぞございませぬ。ただ・・・求める報酬金額が高く、とてもとても私では払えませぬ。」
「なんか・・・凄くアコギな感じがするね。」村人を救う気など全くなさそうな薬剤の仙人に憤慨するケルト。
しかし。
「ともかく会ってみようではないか。」ケルトの憤慨などお構いなし。
目の前にチラつく薬にただ突進するシルフィーなのであった。

【薬剤の仙人】
薬剤の仙人はこの村に住んでいた。
薬屋の主人に紹介してもらい、ご対面となる。
今回の仙人は壮年の男であった。
「ん?俺に薬を作って欲しいんかいな?」なんだか胡散臭い感じだ。仙人は本当に千差万別である。
「そうじゃ。背を高くするのと、素早くなる成長促進剤を頼む!」
「またそんなのかよ!」背の高くなる・・・でツッコむベル。
180センチのレッカ、190センチのライラ、240センチのソラに囲まれるとどうしても身長が欲しくなる。
周りが高いだけなのだが、見下ろされるのがイヤなのだろうか・・・
「俺の薬は高いでぇ。ま、効き目もごっつうあるけどな。
あんさん実に運がええ。素早さやったら今の材料で最高のものが作れるさかい。
まぁ背もそこそこ伸びまっせ。」実に怪しい言い回しで言う薬剤の仙人。
「売ってくれ!」即刻飛びつくシルフィー。この調子だと詐欺には簡単に引っかかるだろう。
「ま・・・アカンけどな。」
「なぜじゃ!?」
「それ作ったら俺のとこにある高級薬の材料が無くなってまうねん。そしたら俺の商売あがったりや。
あんさんが100万ゴールド払うなら別やけどな。ハッハッハ!」
「買った!!」
「「「「え〜!?」」」」パーティでドラゴンから勝ち取った金を1人で使う気か?
「ちょ・・・シルフィー!?」
「なんじゃ?ケルト。よく死ぬそなたを毎回生き返らせてるのは誰だと思っておる?」もう止められない。
目標物を目の前にしてあきらめるはずがない。
「ま・・・アタイはいいけどよ。」
「ワタシも良いよ。」
「ミーもオッケーね。」
なんと女性3人はあっさりと承認。彼女たちは必要以上の金には興味がないという様子だった。
残るはベルだが、ケルトと同じく蘇生で借りのあるベルでは何か言えるはずも無かった。
「ほんまかいな!?ギャグやないやろな?・・・・ってホンマに仰山ありまんなぁ・・・どこで稼いだんや・・・」
フっかけて諦めさせるつもりがあっさりと商談成立。これだけの金があれば釣り合うことは釣り合うが・・・
一体この集団は何者なんだろう・・・?
「どこでもええじゃろ!さぁ薬をよこせ。」目の前の女はわめいている。
まぁ確かに相手の言う通り。商売人である薬剤の仙人は深く考えないことにする。
正当な取引でお金を要求し、相手はそれを出して来た。それ以上の事は関わらないのが信条だ。
「ま・・・一日待ってや。すぐ作るさかい。」
せっかちなオッパイオバケをなだめながら、薬剤の仙人は作業に取り掛かった。

【思わぬ収穫】
1日経つ。
一行はさっそく薬剤の仙人の元へ。
「あんさん酷いなぁ。俺のとこの薬の材料、みんな無くなってしもた。これでまた材料探しからや。
もっとも働かんでもええくらいもろたけどな。」
今後しばらく商売できなくなるという代償と考えれば100万ゴールドも法外とは言えない。
ちょっとだけケルトは気の毒に思う。
「ま、十分レベルアップが見込まれる直前に飲むことや。
成長促進剤はレベルアップのときの1回だけ効果が現れるさかい。」
「心得ておる。この前はヴァンパイアロードを倒す直前に飲んだからの。」
「なんや、ジャンキーやったんか?ま、あんさんの故郷がどこの国か知らんけどそこいらの薬とはワケが違うで。
びっくりせんといてや。身長もかなり伸びるで。」
さすが仙人。喋り方こそ胡散臭いが自分の薬には絶対の自信が伺えた。
ケルト達は薬と代金を引き換える。
良く考えると100万ゴールド持っていても移動が大変なだけなので、
実は薬に代えるのも良かったかもしれない。そうケルトは思った。
「あ・・・そうそう。失敗作も持ってく?俺は当分薬屋はでけへんし。この失敗作もまるっきし役に立たんワケやないし。」
「それってどんな薬なんですか?」
「この村のやつらからの依頼や。村で鶏飼ってるんやけど病気とか怪我に弱かったんや。
ほな薬で強くしたらええやんっておもて試しに作って飲ませたんやけどな、今度はしめられへん。
鶏強くなりすぎやんって。結局ボツや。けどな、まだ100羽分の薬があんねん。これが余ってしゃーないねん。」
一応、村の人たちのためにも薬を作っていた。その事実を聞き、ちょっとだけ仙人を見直すケルト。
「それ・・・鳥類に効くのか?」ライラが聞く。
「おう。そら鶏用に調合したさかい、バッチリ鳥類に効きまっせ。しかも成長促進剤とちごて即刻効果が出るで。」
「なんじゃ・・・即刻効果が出るものもあったのか?」そっちにしておけば良かったと後悔するシルフィー。
「いや、ホンマにちゃんとレベルが上がるんやったら成長促進剤の方が効果が高いねん。
強うなりたいんやったらレベルアップが基本や。
何でもそうやけど、努力なしで得られるものなんて大したことないねん。せやから成長促進剤の方がオススメや。
ほんで、ともかくこの失敗作も持っていきいな。
100万ゴールドも払ったお得意様やからな。サービスや。ほんじゃおおきに。」
こうして薬剤の仙人から鳥強化の薬までもらい、別れる事になった。
「ねぇ・・・もしかしてライラが飲むの?」
「シルフィーが飲む前によ、あいつの実力見てみるって事で良いじゃん。
それにアタイ以外は鳥じゃねぇし。」
「まぁ・・・止めはせぬ。」
「そんで、ソラとシルフィー、ちょっと頼まれてくれねぇか?」

【鉄壁のライラ】
「ホントにいーの?」ソラが聞く。
「ああ・・・ただし軽くな。それとアトで同じことすっから力加減憶えておけ。」
ライラはとんでもない事を言ってきた。
ソラに蹴っ飛ばして欲しいとのこと。
すると、ソラは精神を集中させ、ぼこん!ぼこん!っと大腿四等筋が浮かび上がらせる。
見てしまうと怖気づくのでライラは目を閉じている。
そして、ライラのくびれたウエスト目掛けてミドルキック!
「オー!ノー!」レッカが目をそむける。
ライラの体にソラの豪脚がめり込み、貫通する。骨も内臓も一発で木っ端微塵になってしまった。
即死だ。
控えていたシルフィーがさっそく蘇生する。
「・・・・かぁ・・・やっぱソラは強ええわ。味方でホンッと良かった。死ぬほど痛かったよ。」
ライラが苦笑い。そう言えば久々の直接対決だった。

そして、体を張った人体実験後、ライラは薬剤の仙人がくれた100羽分の薬を飲む・・・というか食べる。
「まっじぃ・・・・トリのエサみてぇだな・・・」強烈な味に文句を言う。
「トリのエサじゃ。」シルフィーが応える。そりゃそうだ。
文句を言いながらもライラは根性で完食。しばしの間、食休みだ。
とりあえず消化しないことには効果も試せない。
「なぁケルト・・・アタイ、強くなれるかな?」
「今でも十分過ぎるほど強いけど・・・」
「そうじゃねぇ。ケルトの隣にはソラがいる。けど・・・いつかアタイもそこに行けるのかな?」そう言うと顔を真っ赤にする。
「え・・・ちょっと意味が分から・・・ぐは!」
「うるせえ!二度も言わせんじゃねぇ。」ライラがいつものようにケルトへ膝蹴りを見舞っていた。
何となく膝蹴りがいつもより強い・・・そう思いながら気を失うのであった。

さて、慎重を期して第2回は翌日に行われた。
万が一内臓を吹っ飛ばされ、消化しきれなかった薬が飛び出たらもったいない。
そうシルフィーが提案していた。
「良いか、ソラ。同じ強さだぞ。」念を押す。
「ゴメン・・・1日経ったから感覚が・・・でもちょっとは憶えてるよ。」
そして同じようにミドルキックが飛ぶ。
ソラの筋肉盛り上がる足がライラのウエストへ。
ボス!
「ぐ・・・・テテテ・・・・」多少の痛みはある。だが骨もイってなければアザすらもできてなかった。
「すっごーい!昨日よりたぶん、ちょっと強めだったと思うよ!」ソラが目を丸くする。
「どうやら詐欺師じゃなかったようだな。」ニヤリと笑いながらシルフィーを見るライラ。
軽くとは言え、ソラの蹴りを受けて無傷だった映像はちょっと記憶に無い。
「よっしゃ・・・ちょっとベル。こっち来いや。」ニヤッとドSの笑みを浮かべながら手招きする。
「なんだよ・・・・」なんだか嫌な予感がする・・・
「シルフィー頼む!」と言うなりベルに向かってミドルキック!
昨日のライラと同じく、胴体が真っ二つになって肉片が飛び散っていた。
「暴力はイカンぞ・・・」と言うなりベルの蘇生に入るシルフィー。
「やっぱな。あのオッサン、鶏にパワーまで与えてやがった。失敗作って意味が分かったよ。
これじゃ鶏一匹絞めるのに村総出の戦闘になっちまう。」
「チョット・・・・仲間を蹴るのはヒドイネ!」レッカが抗議する。
「ててて・・・・せめてケルトにしろよ。」復活したベルが文句を言う。
「やっぱ本気で蹴れる相手でねーとな。ソラはニブすぎるし、レッカを蹴ったらアタイが悪人みたいになっちまうだろ?」
「だからケルト・・・」
「うるせぇ黙れ、ベル。」顔を赤くして下を向くライラ。どうにもケルトに弱くなっているのが自分でも分かった。
とにかくライラの豪脚が薬により復活したようだ。
結局ケルト自身は全く強くなっていないが、仲間は強力になっていった。

スナイパーライラ 性別:女性(セイレーン)
レベル:192
力:39687   素早さ:79
器用さ:62000(装備品により)
耐久力:65386443(約6500万)
魔法力:62    知恵:29
特殊:器用さ1000倍の指輪
   飛び道具威力1000倍の指輪
   フェザーブレッド
   魅惑の歌
   アイテム鑑定
   変化の指輪(金髪、ブルーアイへ変化)
   変化(人間)


 つづく





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