無敵!レベル1勇者パーティ

【魅了への道】
ケルト達はようやく本筋に戻った。
変化の仙人からもらった地図には「魅了の仙人」と「冥界の仙人」の場所だけが記されていた。
本来、彼らはこの2人の元を訪れる予定だったのだ。
最初の魅了の仙人に会う前に思いもかけず、「反射の仙人」と「薬剤の仙人」に会ってしまったが・・・
今度こそ、西の村を出て魅了の仙人の家にまっすぐに向かう。
道中にジャイアントコックローチの団体に出会ってしまうが・・・
「フェザーブレッド!」
「レッツサンダーブレス!」
巨大なゴキブリ達が近づく前にライラとレッカが始末してくれる。
遠距離ならばこの2人が主力・・・そう自然と役割が決まっていた。
「キ・・・キャーーー!」ソラはフルフルと震えて、ケルトに抱きついていた。
「なんじゃ・・・ソラは苦手なのかの?わらわも好きではないが・・・」
「ムリ!・・・絶対おっきい虫はムリ!」半泣きのソラ。本気で抱きすぎてケルトの背骨が折れていた。
「ミーは山育ちだから大丈夫ネ!」
「ま・・・アタイも鳥だから平気だよ。さすがに食わねーけどな。」

そうこうするうちに地図の×印の地点に到着。ポツンと一軒、家が建っていた。
ドンドン!
「こんにちわ!魅了の仙人様、いらっしゃいますか!」
ガチャ!ケルトの呼びかけに応えて出てきた人物は、若い男だった。
「おう・・・ウッヒョー!カワイコちゃんがいっぱいだね〜」
ドレッドヘアに、ジャケット、ピアスにジャラジャラしたものがいっぱいついているズボン。
チャラチャラしているという表現がピッタリと合っている。
「俺が魅了の仙人。ウッシャシャシャシャ!」下品な笑い声に圧倒される一行だった。

【魅了の仙人の災難】
「あーん・・・ちょっとそこの2人。」シルフィーとライラを呼ぶ魅了の仙人。
怪訝な表情を浮かべながらも近づくが・・・
「おー!いいオッパイしてんね〜何食べてんの!?」
といきなりライラの右胸とシルフィーの左胸をモミモミし始める。
「な・・・なにしやが・・・・いや、何をするんですか!」無理やりな敬語のライラ。
「ライラ、早まるな。落ち着くのじゃ・・・・落ち・・・・く・・・」シルフィーの顔にも血管が浮かび上がっている。
相手が仙人でなければ、絶対右ストレートが炸裂しているだろう。
「そんで、俺に何か用〜?」軽いノリで聞いてくる。お触りの手は離さない。
「あの・・・仙人様にですね、魅了の何かをご教授頂きたいと・・・」
「良いけどさ、多分ダメだな〜。ほとんどのヤツは素質が無いってカンジ?」見下したような言い方。
そして飽きたのかシルフィー、ライラを解放する。
このお触りは力の伝授でもなんでもなく、単なる仙人の趣味であったようだ。
「ま、俺の魅了は強力なヤツだけど〜・・・やってみっか。」
と軽薄な口調で言うなり、魅了の仙人はウィンクし始める。
「え・・・・?・・・なんかワタシ・・・・好き〜!!」
バキバキバキ!!ソラが仙人に抱きつき、その豪腕で全身を粉々にする。
「ソラ・・・この方はわらわのものじゃ〜〜〜〜〜!」
シルフィーまで魅了にかかったのか、蘇生の魔法を。
あのシルフィーがあっさり魅了されるのだから相当なものだ。
「ノーノー!これだけは譲れないネ!ユーはミーのものネ!」
バキバキバキ!大幅にパワーアップしたレッカも容赦なくハグハグ。
ドラゴンのパワーは半端ではない。太い腕がめり込み、人の形を無くす仙人。
「レッカ!壊れとるではないか!そーれ、愛しい方。ヒーリング!」
「ちょ・・・ストップストップ!!」魅了の仙人が慌てて魔法を解除。
まさか、数秒で2回も殺されるとは思わなかった。
「いやあ・・お転婆なレディー達だ。ま、これで試練は終わりっつーか。
俺の魅了にかかるやつには教えないことにしてんのよ。やっぱダメってカンジ?」

【見かけによらず?】
「ま・・待てよ。俺やケルトはかかってないぜ?」ベルが抗議する。
「残念。俺が教えんのは女の子だけ。まーどいつもこいつも才能なかったけど!」
「あとよ・・・ライラにかかってなかったぜ。」仙人に言い返すベル。
「ナンだ・・・?そこの巨乳ねーちゃん?じゃあ・・・ウザイけどもう一回。」
魅了の仙人はライラを標的にウィンクし始める。
「・・・・。」
「ち・・・男のクセにウィンクなんて気持ち悪い・・・」ポソッとつぶやくライラ。
すっかり対仙人の態度ではなくなっている。
こういうタイプが一番嫌いだった。アタイはもっとこう・・・純真な少年っつーか・・・ケル・・・ケルト?
「!!」
慌てて今度は真剣にウィンク。魅了の仙人としては異例の事態だったようだ。
「・・・・。ソラもシルフィーもレッカも目が腐ってんのか?こんなのに魅了されるなんて。」
もはや悪態つき放題。さっきのセクハラも思い出し、ムカムカ来ていた。
「な・・・なんて君は素晴らしいレディーなんだ!いやあOKOK。完璧ってカンジ?」
手のひらを返して、魅了の仙人が急に褒め始める。
「まずね。1人の男しか愛さない。そんな女がなかなかいねえのよ。
複数の男と寝る女なんて論外。そんなヤツは俺の魅了の餌食さ。」
シューンとなるソラ、シルフィー、レッカ。
「そんでまぁ人には誰でも惚れる要素ってのがあってさ、
0.0001%でもこの俺に気があるヤツは魔法にかかるってカンジ?
でもそのレディーは俺に少しの気も許さなかった。こりゃ誰かを一途に思ってる証拠。
この俺が入る隙が全く無かった。だから魅了がかからなかった。お前好きなヤツが・・・」
「黙れ!」顔を赤くしたライラの膝蹴りが炸裂。薬でパワーアップを果たしている関係で一発で内臓破裂。
「そうムキになるなライラ・・・。また死んだではないか。」ヒーリングをかけながらなだめるシルフィー。

「ぐは・・・イキの良いレディーだ・・・。ともかく教えてやるよ。
この試練に勝った女って初めてなんだよね。すげっマジかよってカンジ?」
そう言うと、ライラを自分の家に入れる魅了の仙人。
「・・・・。」
全員呆気にとられる展開だった。
「・・・・意外だったね。」ケルトが呟く。と同時に困惑していた。
魅了の仙人の言いぶりだと無添加100%で思い人に気持ちがいっているとのこと。
おそらくその純愛の対象は・・・・自分だった。

【チャームウィンク】
「よし、良くできました。上出来ってカンジ〜?」
外で待つメンバーの元へ、ライラと魅了の仙人が現れる。
「ちょっと、試してみるといいんジャン!」仙人が促す。
「えっと・・・0.0001%でも自分に気持ちが向いてる相手なら魔法抵抗関係なく効くってヤツだよな?」
まずはちょっとした悪戯をしてみることにした。
パチっとウィンクした相手はソラ。
「・・・・ライラちゃーん!大好きーーーーー!!メチャクチャにして〜〜〜!!」
ムギューッとハグするソラ。薬のおかげでライラの体が壊れることはなかった。
両刀使いソラにはバッチリ魅了がかかってしまった。
「解除!」
「あ・・・あれ?ワタシ・・・・」ソラの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
「あははは!ソラの気持ちはよーっく分かったよ。」からかうライラ。
「あ、遊ばないでよぉ・・・」ぷくっと頬を膨らませるソラ。
単純なものほど効果が著しい。魅了の仙人の言う通りだった。
調子に乗ったライラはレッカに向ってウィンク。
「?」レッカはキョトン顔。
「レッカはその気がねぇってことだな?」
「そりゃソーネ!雪女が同性から精をもらったら、この前みたいに食あたりするネ!」なるほど。これが効かないパターンか。
「さて・・・と。」
ここでキリッと表情を引き締め、心を落ち着かせる。いくぞ・・・本気の魅了だ。
そしてケルトの方へ向けて渾身のウィンク!
「?」ケルトはキョトン顔。
おかしい・・・まさか・・・0.0001%も気持ちが向いてないってことか・・・?
レッカと同じ反応に、ライラが青ざめる。
「よーよーそこのレディ。最初に言っとくの忘れてたけど、俺の魅了の術は『本命には効かない』ぜ〜!
自分の恋愛ってのは妖しげな術に頼らず自分で成就するもんだぜ〜」
顔から火が出るライラ。
「て・・・・てっめー!それを早く言え〜〜〜〜!!」
ドゲシ!
魅了の仙人、4回目の死亡である。

「まぁ人間型の怪物で少しでも知能があれば大概かかるからよ。使い勝手は良いってカンジ?
ましてやアンタは別嬪さんな上にボンッキュンッボンのナイスバディーだから対象範囲は広そうだな。
中には相手を殺しちゃいけない場合ってあるジャン?そんなとき使っちゃいなよ。
条件としては、ちょっとでも気持ちが向いてること。ほんの僅かで良いから。
そしたら魔法抵抗なんてお構い無しにかかるからよ。強力な魔術師でもイチコロ。」
蘇生後、仙人が使い方を伝授。一通り話した後、ケルトとベルをジロッと見やる。
「あと、さっきは女の子にだけ教えるって言ったけどよ、
ホントは男にも教えることできるのよ。でもなぁ・・・お前ら2人は全っ然ダメ。
その4人のレディーの中で1人を何の迷いもなく選べねぇだろ?」
確かに図星だ。100%というのは無理だった。
「ま、そんだけ良いレディーに囲まれてるって事よ。あー、そう考えるとあったまくんな!失せろ。もう興味ねぇよ。」
乱暴に追い立てられる一行。結局ケルトのパワーアップはお預け。
おかしい・・・僕が言い出して旅に出たはずなのに・・・
女性陣に実力差を挽回不可能なまでに広げられ、悲しくなってくるケルトであった。

スナイパーライラ 性別:女性(セイレーン)
レベル:192
力:39687   素早さ:79
器用さ:62000(装備品により)
耐久力:65386443(約6500万)
魔法力:62    知恵:29
特殊:器用さ1000倍の指輪
   飛び道具威力1000倍の指輪
   フェザーブレッド
   魅惑の歌
   アイテム鑑定
   変化の指輪(金髪、ブルーアイへ変化)
   変化(人間)
   チャームウィンク


 つづく





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