巨樹少女 第2話

超身長差カップル

 この間私のところにどこかの雑誌の方が取材に来られていたのですが、その記事が載っていました。
クラスのお友達が教えてくれたんです。
「仰天!!世界一大きな女性は女子高生!3mコギャルが街を行く!!」
 そんないい加減なタイトルでした。私がいくら大きいといっても3mもありませんし、コギャルなんて適当に
書かれると迷惑してしまいます。内容も非常にいい加減な憶測に満ちたもので、私の話したこととほとんど
食い違っているものも多くありました。ブルマー姿のお尻を大アップにした写真まで載っていて、取材というより
もはや盗撮中心のふざけた記事で私は正直怒りを覚えました。こんな興味本位に、無責任なことを書かれる
からますます周りから好奇の目で見られるんです。これを見た多くの人がまた私のことをバカにしたような目で
見に来ることと思います。この記事には私の実名や学校名、クラスまで明記されているんですから。
 私、怒ってます。今度この記事を書いた人を見つけたら、いつかの男の子みたいにダンクシュートでも炸裂
させてやらないと気が済みません。いや、もっとこっぴどく懲らしめてやるかもしれません。・・・でも、そんなこと
するからまた変な目で見られてしまうのかもしれませんね・・・

 その記事の最後には、私の好きな男の人のタイプまで書かれていました。といってもこれは私自身が取材に
答えたものがそのまま載っているだけで別に怒ることではないんですが。
「好きなタイプですか?・・・そうですね、う〜ん・・・小さくてかわいい人がいいです。私が大きいから・・・」
 私の答えたとおり、そう書いてありました。小さな男の人が好きな大女・・・皆さんは変だと思いますか?
私は本気です。実際、私より大きな人なんて男性も女性も見たことありません。もしいたとしても興味はわかない
と思います。私は本当に、自分よりずっと小さくて、抱きしめたくなってしまうような男の人が理想なんです。
今は女の人も大きい人はたくさんいて、自分より小さな男の人が相手でもかまわないという人は多いらしいん
ですが、私の場合は少し違うんです。小さくてもかまわないんじゃなくて・・・小さい人じゃないとダメなんです!
 よく恋愛では自分にないものを持つ相手を選ぶなんていいますが本当にその通りだと私も思います。
背の低いかわいらしい男の人で、私みたいな大女が好きだなんて言ってくれる、そんな素敵な男の人といつか
めぐりあえたら・・・私は大きな図体でいつもそんなことを夢見ていたんです。

 そして最近、驚くほど身近なところに理想の男の人が現れて、私の胸は高鳴りを隠せなくなっていったんです。
その人とは、今の学年でクラスメートになった駒井あきらくん。身長155cmで学年中最も背が低く、体の線も
実に華奢で一見女の子にも見えてしまうほどのかわいらしい美形の男の子です。
しかもあきらくんは、私の人間離れした巨体を一目見たときも全く嫌な顔も驚いた顔もせず、他の女の子たちと
同様に私を1人の女子として接してくれました。そんな彼の優しいところに私は心を射抜かれてしまったんです。

 で、私はついに彼にこの思いを打ち明ける決心をしたんです。彼の存在が私の中でどんどん大きくなって
いって・・・いてもたってもいられなくなっちゃったんです。私はチャンスを待ちました。
 そしてある日の放課後、何かの用事で1人教室に残っていたあきらくんを私は発見したんです。告白するなら
今しかない!って思って、わたしはあきらくん1人きりの教室に自分でも驚くほどの勢いで跳び込みました。

「あれ?美樹ちゃんまだ残ってたの?」
 あきらくんは280cm弱の大女の私にも普通に優しい言葉で反応してくれました。そんなあきらくんを見て私は
また胸をときめかせてしまって、肝心なところで頭が真っ白になって言葉を詰まらせてしまったんです。
今さっきまで考えていた告白の言葉も頭から溶けるように消えていってしまい、私はただあきらくんの目の前で
思うように口もきけずに顔を真っ赤にしてうつむいてしまいました。

「何、美樹ちゃん?」
「・・・その・・・あの・・・えっと・・・・・・」
 そのとき、私の思考回路はぐちゃぐちゃでした。考えれば考えるほど適当な言葉は浮かばなくなり、ただ
顔が熱く火照って胸の鼓動は激しさを増していきました。
 155cmのあきらくんが、真っ赤になって下を向く277cmの私を不思議そうな表情で見上げてきます。
身長差があるので、ちょうどそれで目が合ってしまいます。私はさらに赤面してしまうのでした。
「美樹ちゃん・・・どうしたの?どこか具合でも・・・」
「う、ううんなんでもないの!・・・あっ・・・あきらくん・・・・・・」
「え?」
「・・・えっと・・・そのあの・・・・・・ほらっ!!」
 ガバッ!ぎゅううううううっ!!
「ぐむぅううう!?」

 何がほらっ、だ・・・なんて思われるかもしれないですけど・・・元々口下手な私はこんな状況でますます言葉に
困ってしまい、自分でもわけのわからないうちに口より先に手が出てしまったんです。・・・気が付くと私は、
小さなあきらくんを体ごとひったくるようにして抱きしめ、自分の胸に思いっきり押し付けていたんです。
「むうっ!!む・・・ぐむぅ・・・!!」
「あきらくん・・・聞こえる?私の胸の音・・・」
 多分私は、自分がどれだけあきらくんを好きか、自分の胸のドキドキを聞かせることによってなんとか伝えよう
としていたんだと思います。私、きっと熱に浮かされておかしくなっていたのに違いありません。・・・だって、
あきらくんの気持ちを全く無視した、明らかに自分勝手な行為だし。こんなことをしてあきらくんのことを私に
振り向かせようなんて絶対どうかしていたとしか思えません。それでもそのときの私は、ただ力いっぱい
あきらくんの顔を私の胸にうずめさせて抱きしめ続けることしか頭にありませんでした。

「むぐぐぅ・・・み、き、ちゃ・・・ん・・・・・・むぅ・・・ふ・・・」
「はぁはぁ・・・あきらくん・・・あきらくん・・・あきらくぅんん・・・・・・あぁ、あきらぁぁぁ・・・」
 私は顔を・・・いや、体中カッカッと真っ赤に熱く熱くさせながら、あきらくんを抱きしめるその腕の力をますます
強めていきました。早まる一方の胸の鼓動をあきらくんに聞いて欲しくて・・・あきらくんの頭は大きな私の胸に
すっぽりと収まってしまっていました。あきらくんの顔も紅潮しているのがわかりました。冷静に考えればそれは
酸素を取り入れられないからだということだとはわかりそうなものですが、そのときの私は熱くなりすぎてて、
ああ、あきらくんも興奮してくれてるんだ・・・そんな勝手な想像をして両腕にさらに力を込めていったんです。
そのとき、あきらくんが酸欠状態でバタバタしているのには全く気が付きませんでした。

「ああああ!!あ・き・ら・くううううううううん!!」
 もうそのときの私はあきらくんとしか口にできない状態でした。
・・・それからずいぶん時間がたった頃だと思います。抱きしめているあきらくんが動かなくなっているのに気が
ついたんです。今まで私の腕につかまっていたはずが、両手両足ダランと垂れ下がり、声も聞こえなくなって
いたんです。私はそのとき初めて我に返り、青ざめてしまいました。
「あ・・・あきらくん!?ごっ・・・ごめんなさい!!し、しっかりして!!あきらくんっ!!」
 腕を放すとあきらくんは息をしていませんでした。揺すっても起きません。私は一体なんてことを・・・!?
好きな男の子になんて真似を・・・!?激しい後悔と自責の念に苛まれながら私はあきらくんを力を込めて
揺すり続けました。・・・しかしあきらくんは一向に目覚める気配がありませんでした。私、一体どうしたら・・・
私の軽はずみな行動のせいで大好きなあきらくんが・・・私は泣きそうになっていました。
しかし、次の瞬間にはまた、よからぬ発想が頭をよぎっていたんです。
「そうだ・・・人工呼吸だ・・・!」

 私はあきらくんを床に仰向けにすると、
「あきらくん、お願い・・・戻ってきて。私が助けてあげるから・・・」
 なんて独り言を言いながらあきらくんの上に覆いかぶさるように四つん這いになりました。自分で気絶させて
おきながら、人工呼吸と銘打って私はあきらくんにファーストキスをささげようと不謹慎なことを考えていた
んです。あきらくんのかわいい寝顔(?)に、私は顔を接近させていきました・・・

「んっ・・・んんん・・・・・・」
 胸をドキドキさせながら唇を重ねようとしていたその瞬間でした。あきらくんは自力で蘇生したんです。
超至近距離で目と目が合ってしまい、私は心臓が飛び出してしまいそうなほど驚いてしまいました。多分、
あきらくんも同じだったはずです。あきらくんが蘇ってうれしいはずなのに、私は不謹慎にも一瞬がっかりして
しまっていたのでした。だからというか何というか・・・私は・・・やめませんでした。
「みっ、美樹ちゃん?一体何を・・・むぐっ!?」
 ちゅううううううう。

 すでにあきらくんは意識を取り戻していたのを確認しておきながら、私はあえて強引にあきらくんの唇を
奪いました。すぐそこまできてやめられなかったんです。あきらくんの小さな、柔らかい唇・・・私はまた興奮に
包まれ始めていました。
「む・・・ぐ・・・!?」
 あきらくんは突然のことに気が動転してしまっていたらしくて、必死に暴れているのがわかりました。でも私は
そんなあきらくんを押さえつけてファーストキスの感触に酔いしれ続けていました。

 ・・・それからどれくらいの時間がたったでしょう。私はあきらくんの唇の感触をたっぷりと味わってから
ようやく離れました。私の顔は自分でも真っ赤になっているのがわかりましたが、あきらくんはそれ以上に
真っ赤になっていました。力も抜けている様子で、茫然自失という感じでした。そんなあきらくんがかわいくて
私はまた、たまらなくなってしまっていたんです。

「好きよ、あきらくん・・・!」
 普段では恥ずかしくてとても口には出せない言葉が自然と口から出ていました。そして、何も考えられない
様子で仰向けになっているあきらくんを私は抱きかかえ上げました。すごく・・・軽いんです。男の人にしては
小柄なあきらくんは体重もものすごく少ないんです。自分で言うのも変ですけどこれだけ大きくて力も強い私なら
片腕で、いや片手で持ち上げられる軽さでした。ひょっとしたら、私なら両腕じゃなくて両手で抱きしめることが
できるんじゃないかって・・・そう思ってしまうほど体も細いあきらくんでした。
「あきらくん・・・!」
 私は手をあきらくんの腰にまわしてみました。やっぱり、そうでした。私の両手はあきらくんのウエストを
包んだ状態で指が余ってしまったんです!・・・それは抱きしめるというよりむしろ、お人形さんを持っている
感じでした。

 茫然としたまま私の両手に握られるように抱かれたあきらくんを見ていると私はまたまた不謹慎にも
興奮を抑えられなくなっていたんです。どうかしていると思いつつ・・・我慢できませんでした。
「あっ・・・あきらくん!!私の気持ち・・・受け取って!!」
 私はあきらくんの細い体を握り締める両手の力をさらに込めると、自分のほうに引き寄せて再び強引にも
唇を重ねていったんです。あきらくんは完全に力が抜けていて、なすがままという感じでした。

 あきらくん、かわいい・・・そんな思いが私の頭の中を支配しつくして限度を見失ってしまった私は、はしたない
ことにキスしながらあきらくんの唇を押し割って舌まで差し入れてしまっていました。
 じゅるっ・・・
「んんっっ・・・!」
 あきらくんが一瞬ビクンとしたのが伝わってきました。そんなあきらくんの反応に私はますます熱くなって
しまい、さらに深く深く舌であきらくんのお口の中を犯すかのように挿入していきました。
 いつもはこんなこと、考えもしないのに・・・こんなことしてあきらくんに嫌われちゃったらどうしよう・・・・・・
そんな理性も確かに少しは残っていました。でも、そのときはなぜかやめられなかったんです。
あきらくんがかわいすぎるからいけないんだよ・・・そんな勝手なことまで考えながら、私はあきらくんのお口を
侵略し、あきらくんの唾液をたっぷりと味わいました。さらにそれだけに飽き足らず、私は舌と歯を使って
あきらくんの怯えて縮こまる舌を強引に引き寄せて、私の口の中へと導いて言ったんです。舌を絡ませ、
軽く噛み付き、あきらくんの甘い唾液を吸い上げると同時に、私の唾液をあきらくんのお口の中に次から次に
送り込んでいきました。
「ん・・・んっ・・・んんんん」
 口をふさがれながらあきらくんが時々あげる蕩けるような喘ぎ声に、私の興奮は頂点へと登りつめて
いました。胴体を握る両手にこもる力もますます強まり、骨のきしむような音が手の平に伝わった気がしました。

 それから、私とあきらくんのお付き合いが始まったんです。後になってわかったことですけど、あきらくんも
私のことに好意を抱いてくれていたんだそうです。・・・そう考えると、多少強引ではあったけどあのとき
思い切って私の思いを打ち明けてよかったなぁって思いました。
 155cmと277cm。122cm違い。きっと私たちは世界一の身長差カップルに違いありません。
私の160cmの股下より低いあきらくん。2人で歩くと歩幅が違いすぎるため私たちはすぐ離れ離れになって
しまいます。手をつないで歩くと、あきらくんは私に引きずられるように小走りでハァハァ言いながら
ついてきてくれます。私としてもこの大きな体のせいであきらくんに苦労はかけたくないし、大好きなあきらくんと
できるだけ近くにいたいからなるべくゆっくり歩くようには気を付けているんですけど・・・
 あと2人で歩いているときの悩みとしては、ほとんど屈まなくてもあきらくんは私の制服のミニスカートの下に
傘にでも入るかのように収まってしまうことです。男の人をスカートの中に入れる・・・そんなこと恥ずかしくて
とてもできないことですけど、あきらくんと一緒に歩いているといつの間にかそうなってしまっていることが
多いんです。そうなっていることに気が付くたび、私もあきらくんもそろって真っ赤になってしまうのでした。

 だから、私はいつもスカートの下には学校で使うブルマーを着用することにしたんです。体育のない日も。
だって、いくら大好きなあきらくんとはいえ、間近で下着を覗かれるのはさすがに抵抗がありますから。
・・・で、ブルマーを穿くことによってパンツを見られる心配がなくなった私は、また少しいけないことを考える
ようになってしまいました。
 私がいつものように登校して校門を通り抜けると、目の前を歩くあきらくんの後ろ姿が見えました。
あきらくんはまだ私が後ろにいることに気が付いていないようでした。ふと、意地悪な考えが頭をよぎりました。
私は周りに他の人がいないのを確認してから、そーっとあきらくんに接近して・・・
「おっはよ〜、あきらくん♪」
 ぱさっ。むぎゅうううううううう!!
「むぅっ!?むぐぅううう!!」

 私はまた、どうしようもないことをしていました。あきらくんに追いつくと挨拶するとともに彼の頭を真上から
太腿で挟んでしまったんです。あきらくんは何が起こったのか把握できていない様子で、私のスカートの中で
くぐもった叫びをあげながら両脚をバタつかせました。それはそうでしょう。なにせ、背後からいきなり
視界を奪われて、その上で太い何かに顔を挟まれて吊り上げられたのですから。そしてさらに、その視界を
覆ったのが女子高生のスカートで、顔を挟み締め付けているのが太腿なんてすぐにはわかるはずなど
ありません。肩から上をスカートに覆われ、私のブルマーの下でパニック状態に陥っているあきらくんを
見ていると私はつい興奮してしまって、締め付ける太腿の力をより強めてしまっていました。

 でもふと冷静になって、私はなんてはしたないことをしてるんだろうってハッとしてしまいました。
最初はただの軽いいたずらのつもりでした。しかし、私はやはりどうかしていたんです。男の人を跨ぐだけに
とどまらず、スカートに包んで太腿で挟んで宙吊りにするなんて。いくらパンツを見られないからって少し大胆に
なり過ぎてしまったようです。私、どうしてあきらくんの前ではこんなにも欲望の赴くままに行動してしまうのか、
太腿の間で悶絶し続けるあきらくんをそのままにしたまま私は1人で真っ赤になっていました。

 それからしばらくして、ようやくあきらくんを解放してあげることを思い出した私は太腿の力を緩めました。
ドサッ、という音を立ててあきらくんは地面に崩れ落ちました。泡を吹いてピクピクしていました・・・
 キャッ、あきらくんごめんなさい!!私ったらまたやっちゃった!!好きな男の子を2回も失神させちゃう
なんて・・・し、しっかりして・・・私ってなんでこうなの・・・?あ、そうだ人工呼吸しなきゃ・・・ふふっ。

つづく
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