小さすぎる僕 第4話

ショートパンツ軍団

 僕はなんとか大学に進むことができ、この春から独り暮らしをはじめた。小学校
3、4年生なみの体格の僕は何かと不自由も多いが、まあ何とか・・・
 新しく住みはじめたこの町で、僕は凄いものを発見してしまった。近くにある中学校の運動部の生徒の
下校風景だ。

 現在、ほとんどの小中高校で女子の体育の服装はブルマーが廃止に追い込まれているらしいけど、
この中学校も例外ではなかったようだ。ショートパンツだった。ガッカリしたかというとそうではなかった。
ブルマー以上に凄い光景かもしれなかった。

 授業がある平日はともかく、土日に部活の練習のために登下校する少女たちは、ほとんどその
ショートパンツと体操服姿で外を歩いているのだった。しかもそのショートパンツというのが、丈が凄く短く、
脚の付け根のギリギリの部分までようやく覆うような、ブルマーとほとんど変わりないような超ショート
パンツなのだ。さらにスポーツをやっている子は発育がいいのか、パチィンと音を立てそうなほどに
ショートパンツを張りつめさせて学校へと行き来する。そんな刺激的な格好のまま彼女たちはコンビニに
寄り道をして買い食いや本の立ち読みなどもする。アルバイトで最寄のコンビニの店員をしている僕は
その光景に前屈みにならずにはいられない。ブルマーだったら彼女たちはこんなことは絶対しないに
違いない。足の付け根にちょっと布が追加されただけでこんなに大胆になってしまうのだろうか・・・
 
 ピッチピチショートパンツ少女たちのお尻や太腿をを目に焼き付けたくて、土日の部活が終わりそうな
時間帯に合わせて僕は近所のスーパーに晩のおかずを買いに外出するようになりだした。彼女たちは
別の意味でおかずだった。
 その日も僕は買い物を終えると、胸を高鳴らせながら家路に着いた。・・・いた!!いいタイミング!!
しかも8人!!彼女たちは横1列に並び、楽しくおしゃべりしながら下校していた。こういう、学校の中でしか
普通は見られないようなコスチュームで、しかも8人もの集団で街中を並んで歩いてる少女たちの姿
というのは実にエロチックで・・・いや、そんな発想はしてはいけないんだろうけど、特にこの8人は凄く
男の胸と股間を熱く甘くかきむしってくれた。

 いうまでもなく8人の少女たちは全員僕より背が高かった。多分1番背の低い少女でも160cmはありそう
だった。みんな僕より25cm近くは大きい・・・また僕の胸をコンプレックスが突き抜けたけど、そんなことは
どうでもよかった。そんなことより・・・彼女たちのお尻と太腿のあまりの迫力に、僕は瞬きをすることも忘れて
ただただ見入っていた。ショートパンツの悲鳴が聞こえてきそうでもあった。彼女たちが歩を進めるたびに
そのすさまじいお尻のふくらみは右に左にギュッギュッとかたより、パンパンに張りつめさせたショートパンツ
を内側から拷問にかけているようだった。8つ並んだビッグサイズのお尻お尻お尻!僕と比べると段違いに
高い位置にあるお尻!僕が小さい分それだけ目線に近いわけで、僕はもう今にも鼻血が噴出しそうだった。
 ピチ、パチ、ギュギュギュウウという音まで聞こえそうなほどショートパンツは彼女たちのお尻の動きに
窮屈そうにしわを刻みお尻の谷間に深く食い込んでいく。お尻の圧力に負けその裾からまぶしいお肉の一端を
こぼす。8人ともショートパンツ越しに自分のお尻の形を食い込みによる谷間も合わせて僕の目に無邪気に
さらしている。裾からお尻の端まで除かせて。下品な言い方をすれば8人全員がクイコミ、ハミ尻!!しかも
彼女たち8人はみな他愛ないおしゃべりに夢中で1人もそれを直そうともしない!彼女たちのあどけない
まぶしい笑顔・・・表情だけはかわいらしい普通の中学生といった感じなのに・・・それに反してその身長、
その迫力満点のヒップ、夕日に照らされて白くまぶしく光るピチンと張った太腿、その健康的な長い脚!

 ちゅ、中学生なのに・・・それにひきかえ僕はどうだ。19にもなるのに身長136cm、体重23kg、腕も脚も
枝みたいに細いし、胸板も洗濯板状態。筋肉も脂肪も全く付いてなくて、体毛だって全然なくてツルツル。
髪形も昔と全く変わってない子供っぽい坊ちゃん刈りだし(顔も小学校低学年みたいなので大人っぽい髪型は
似合わないだけ)声も相変わらず高くて・・・彼女たちと僕のあまりの格差にまた胸が痛くなった。
 しかし、今は彼女たちのかわいい仕草とその大人顔負けの体つきのギャップに悩殺される気持ちのほうが
優先した。激しいリズムを刻む僕の心臓の音が彼女たちに聞こえてしまいそうだった。さらに僕は穿いていた
トレーナーに小さいながらも硬く硬くテントを張っていた。彼女たちはショートパンツに、僕は先端まで覆う包皮に
悲痛な叫びをあげさせていたのだった。

 と、そのうち1人の少女が後ろを歩いている僕に気づいて残りの7人に何やら声をかけ、その直後
4人づつ左右に分かれて道路の中央を空けた。おしゃべりしながらゆっくり歩いていた彼女たちは僕のジャマ
になると察したようだ。あぁ、もうちょっと見たかったのに・・・などと思いながらも、僕はわざわざ道を空けて
くれた彼女たちの手前、歩く速度を速めて前に出ることにした。

 左右4人づつの女の子たちに見下ろされながら歩いて通過する僕。あまり広い道路ではなかったため、
女の子たちのトンネルをくぐっているような錯覚さえした。さっき1番小さい子でも160cmという話をしたけど、
その女の子から上はさらに高く見上げるような長身だった。
 バレー部だろうかバスケ部だろうか、彼女たちは大人の女性でもそうそう見かけないほどの長身ぞろいで、
2番目に低い子でも170センチは楽々超えているものと思われた。1番高い子にいたっては小学校のときの
同級生の真帆さえ遥かに凌ぐ超長身。もう何cmあるのか推測もできなかった。
 僕の頭頂部は彼女たちの首、胸、おなかのあたりを通り過ぎる。後ろからではわからなかったけど、彼女たち
は胸もすさまじい迫力で僕の視界に飛び込んできた。ドンと前に突き出された、体操服越しに透けて見える
ブラジャーが僕を見下ろしている。テントはますます角度を増していった。皮に激痛が走る。もちろん前は
買い物袋でしっかり隠していた。彼女たちのお尻に見とれていたときから僕の顔はすっかり紅潮していたけど、
こうして彼女たちの視線が僕に集中する中で勃起を悟られまいとしながら歩いていると、さらに顔はどんどん
赤くなっていくのが自分でもわかった。耳まで熱く熱く加熱してくる。まともに彼女たちと目線を合わせることは
できなかった。彼女たちのクスクス笑いが聞こえてくる中、ただ真っ赤になってうつむいて歩いた。とにかく
恥ずかしく、僕はたまらなくなって一刻も早く脱出しようと思っていた。しかし・・・

「くすくす、かーわいぃ、この子」
「ボク、こんにちは!」
「真っ赤になっちゃってどうしたのボクぅ、具合でも悪いの?」
 う、子供に間違えられてる・・・ショックに打ちひしがれた瞬間、僕は近くにあった石につまづいて転び、
買い物袋の中身を路上にバラまいてしまった!
「キャッ!!あぶなーい!」
「ボク、大丈夫!?」

 8人の女の子たちはうつぶせに倒れた僕に駆け寄って、5人が僕を取り囲んで気遣い、残りの3人は
散らばった今日の買い物をかき集めて袋に入れなおした。
「ボク、ケガはない?痛いとこは?」
「よし、泣いてないね!えらいぞぉ、男の子!」
「特にケガとかはしてないみたいね・・・ダメよ、気をつけなきゃ」
「はい、入れといてあげたからね!お惣菜のパックなんかは破れてないみたい。よかったね」
「ボク、おつかい?お母さんに頼まれたの?えらいね」
「あたしの弟なんてなんにもしないんだよー。ボクはこんなにちっちゃいのに、かんしーん」
「ボクかわいいねー。ねぇこれからお姉さんたちと遊ぼ?」
 彼女たちは僕を本当に子供だと思い込んでいる様子だった。しかし、その中で最も背の低い約160cmの子
が僕の顔を覗き込んで言った。
「あ、あのぉ・・・山野さんですよね?」
「え?」
 さっき後ろから見とれていたときは長い髪に隠れてわからなかったけど、この子は僕が引っ越してきた
アパートの下の階に住んでいる中学1年生の河本百合だった。確か引っ越してきてすぐに顔をあわせたことが
あった。はじめて見たときの印象はやけにがっしりした子で・・・思い出した・・・
「百合、その坊やと知り合いなの?」
「センパイ、この人は子供じゃありません!大人なんです!」
「は?」
「この人・・・こんなにちっちゃいけど・・・一応大学生なんです!!」
「・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
 百合の言葉に他の7人は一瞬固まってしまい沈黙が流れた。そして・・・

「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
 少女たちの黄色い驚きの声が町中に響き渡らんばかりに爆発した。
「ううううそおおお!?大人なのその人おおお!?」
「・・・そうです。たしか19歳・・・でしたよね、山野さん」
「う・・・うん・・・まあ・・・・・・」
 百合と1番大きい子以外の6人がザザッと僕を取り囲みなおして、口々に驚きを表現した。
「うっそみたい・・・これで大人なんて・・・」
「信じられない・・・ちっちゃぁぁぁ・・・」
「やだ〜、年上なんて、この子。なんでこんなかわいいの〜!?」
「すべすべしてるしぃ・・・この子絶対10歳ぐらいにしか見えないよ〜」
 彼女たちは僕が大人と判明した今になってもまだ僕に『子』という呼びかけをする。しかも彼女たちの僕を
取り囲む輪はジリジリとせばまって、ほとんど密着状態へと変わっていった。遠くから見れば、きっと僕は
彼女たちに埋没して外から見えず、ただ女の子6人が輪になって内緒話をしているようにしか見えなかった
はずだ。好奇心旺盛な6人の少女たちは目をキラキラ輝かせながら僕を見下ろし詰め寄ってくる。

 そのキラキラした瞳はまさしくかわいらしい女子中学生そのものだった。しかしその体の大きさと逞しさたるや
大の男でも歯が立ちそうになかった。さらにその、大の女でも到底歯が立たないであろう大迫力のバスト!!
彼女たちは両膝に手を置いて中腰で僕に目線を合わせようと顔を接近させてきた。そうすると当然胸は両腕に
はさまれ寄せられる形でますます強調される。僕のあそこはブリーフもトレーナーも持ち上げて下腹部に
押し付けられるほどに硬くなってしまった。それを買い物袋で必死に隠す僕。彼女たちは僕に目線を合わせて
くれたけど僕のほうはあまりに恥ずかしくて目を合わせることなどできなかった。しかし、視線を落とせば
そこには彼女たちのピチピチショートパンツとそこから伸びるムチムチ太腿があって、僕の胸と股間を容赦なく
たぎらせる。下腹部がグイグイ押される。

「ねえねえ山野君、こっち向いてったら。ふふっ」
「なんでずーっと下向いてるのかな?恥ずかしいの?」
「山野君おっかしー。照れることないじゃん。恥ずかしがりやさん」
「おもしろーい。あれ、どうしたの?袋ガッチリ抱えちゃって」
「別にあたしたちキミにヘンなことなんかしないってー」
「この子かわいいな〜。連れて帰りたいよぉ〜」
 彼女たち6人はしゃがみこんで1人1人僕の肩、脇、背中、腰などに手を添えてきた。僕からすればそれは
もはや捕獲といってよかった。そして彼女たちはもう片方の手で僕の頬をぷにゅぷにゅ、頭をなでなで、
胸や背中をつんつん。・・・恥ずかしいやら情けないやら。僕はもう声も出せなかった。

「あ〜、この子かっわいい〜!あたしの弟にしちゃいたいよぉ〜」
「あはははなにそれ〜?お兄さんじゃなくて〜?」
「だってこんなちっこくてかわいらしいんだよぉ。この子のお姉さんになりたいな〜」
「ねぇボクぅ、お姉さんとチューしよっか?」
「あーこの子またまた赤くなった!!くーかわいい、お姉ちゃんたまんないよー」
「この子って女の子のカッコも似合うかも。デカいあたしたちよりセーラー服キマるんじゃない?」
「絶対ランドセルのほうが似合うって!もちろん赤いのね」
「キャハハハハハハハハハ!!」
 つんつん、なでなで、すりすり、ぷにゅぷにゅ、ぐりぐり、もにゅ。
6人の大きな女子中学生たちに捕らえられ、なすがままにもてあそばれる19歳の小さな僕。

「あなたたちいい加減にしなさい!!失礼だと思わないの!?」
6人の様子をじっと見ていた1番大きい子が一喝した!今まで僕を撫で回していた6人の少女たちは突然
ビクン!!としてその場にピーンと気をつけした!・・・つい僕まで。
「山野さん・・・とおっしゃいましたかね。私の後輩が大変失礼なことを・・・ごめんなさい。この子たち、いつもは
優しくていい子なんですけど、つい調子に乗りすぎちゃうところがあって・・・私からも謝らせてください。
本当に・・・すみませんでした」
「あ・・・いや、そんなこと・・・」
 この1番大きい子は何部か知らないけどキャプテンらしかった。この子の気合の入った一喝のおかげで
僕はすっかり勃起が収まってしまった。タマも縮んだけど。
「ほらっ、あなたたちも謝りなさい。無礼な行いをしたんだから」
「・・・ごめんなさい」
 キャプテンに怒鳴られてシュンとなってしまった彼女たち6人は僕に向かって声をそろえて詫び、頭を下げた。
彼女たちはずいぶんこの超長身のキャプテンに厳しくしつけられているようだった。

「山野さん。この子たちには私のほうからもきつく言っておきますので、どうか許してやってください。
今日は本当に・・・大変失礼しました」
 キャプテンの物腰と話し方からは育ちのよさが感じられた。彼女の長身とキリッと凛々しい雰囲気に、僕は
普通に話していいのか敬語を使うべきなのか正直迷ってしまった。
「い、いやぁ・・もういい・・・よ。みんな、さ、さっき袋の中・・・拾ってくれてありがとう。特にケガなんかしてないし、
大丈夫です・・・いや大丈夫。じゃ、じゃあ僕はこれで。・・・さよなら」
 僕は自分でも何だかわからない挨拶をすると、わけもなくその場を走って離れた。
「バイバーイ!!」
「また遊ぼうね〜!」
「こんど抱っこさせてー!!」
 後ろから6人の女の子からの明るい声が聞こえた。
・・・あまり、懲りていないのかも知れない・・・・・・

 帰宅してからも僕は何だか落ち着かず、異様に早い時間に夕食をとってしまった。やはり何かソワソワ
してしまう。やはりどうしても頭に浮かんでしまうのだ。さっきの部活帰りの女の子8人組の悩殺ボディが。
彼女たちのボリュームたっぷりのお尻を窮屈に包み、内側からの圧力に悲鳴を上げもがくショートパンツ。その
ショートパンツをパツパツに張らせ、パンティラインもクッキリ浮かび上がらせて僕を無邪気に挑発し続けた
ヒップ。太陽の光が反射せんばかりにまぶしく輝いていた、水もはじきそうな白いピチピチ太腿。体操服から
透ける白いブラジャー。ブラジャーの下から体操服を押し上げる砲弾のようなマシュマロのような巨乳。そして
僕を取り囲んだとき狭い空間に満ち溢れた甘い甘い香り。それら1つ1つが僕の頭の中を駆け巡り、
それ以外には何も考えられなくなっていた。思考回路は焼きつき、脈は制御不能なほど速まり、トレーナーは
真上よりさらに角度をつけて持ち上げられた。・・・だ、ダメだ・・・こうなったら、あれをするしかない・・・

 小学校6年生のときの運動会の練習中、フォークダンスをしていてブルマー姿の真帆と手をつないだ瞬間
精通を迎えてしまったあの日以来、しょっちゅうやらないと我慢できなくなってしまっていたあれをやるしか
ない!僕はいても立ってもいられずトレーナーとブリーフをまとめて脱ぎ捨てると布団を敷いた。あそこは
下腹部を痛いくらい打ちつけ続けていた。ハァハァたまらない・・・ぁぁ・・・僕は布団に横になった。

 ピンポ〜ン!

 な・・・何と言うタイミングの悪さであろうか。・・・誰か訪ねてきたんだ・・・!
「はっ・・・はい!!」
 僕は焦って穿くものを穿くと急いで扉を開けた。
「ごめんください。山野さん・・・」
「あ・・・ゆ・・・百合・・・ちゃん・・・・・・」

 百合は僕に話があるということだった。布団を敷いたばかりの汚い僕の部屋に通すのも気が引けたので、
近くの公園まで行って話をすることにした。そのときの百合の服装は白いTシャツに黒い膝上までのスパッツ。
8人の中で最も背は低かったけど全身、特に下半身の発育ぶりは筆舌に尽くしがたく、今もまたスパッツを
引きちぎらんばかりにピチィンと張らせていた。こ、これが中学1年生の太腿とお尻だろうか・・・日ごろどんな
練習を・・・?さっき突然の来客でしぼんでしまっていた僕のあそこは再び息を吹き返して硬度を増していき、
僕を百合に怪しまれないように前へとかがませるのだった・・・

「あ、あの、話って?」
「あの・・・ですね、さっきあたしのセンパイ6人が山野さんをからかってたじゃないですかぁ。あれ、あたしは
混ざってなかったからキャプテンには怒られなかったけど、やっぱりあたしも悪かったと思うんです。
だから・・・謝ります。ごめんなさい」
 百合は僕に頭を下げた。下げてもまだ僕のほうが低かった。
「えっ、何で百合ちゃんが謝るの?別に僕は百合ちゃんから何も・・・」
「いえ!山野さんをセンパイたちにいじめさせたのはあたしかもしれないんです!最初山野さんを大人の人
だって説明したとき、こんなちっちゃいけどこの人大学生なんだって・・・ちっちゃいなんて余計なこと
言っちゃったから・・・センパイたち調子に乗っちゃったっていうか・・・そんな言い方後輩がしていいか
わかんないけど・・・とにかく、その・・・あの・・・ごめんなさい!!」
 こんどはさらに深く頭を下げた百合。それでも僕のほうが低い。
「そんなこといいよ。どうせ小さいんだから。慣れてるから」
「だ・・・だって・・・」
「仕方ないよ。小さいものは小さいの。今日のことはもう気にしてないから、百合ちゃんももう忘れて」
「は・・・はい・・・・・・」

 ・・・互いに無言のまま、結構長い沈黙が流れた。・・・・・・僕から切り出した。
「あのさ・・・話ってそれだけ?」
「あっ!!いいいいや・・・まだその・・・えっと・・・」
「ん?何?」
「あの・・・あの・・・」
 百合はうつむいてもじもじしだした。以外に内気な子なのか。
「んっと・・・なんて言えばいいんだろ・・・あ・・・あ、あたしとお友達になってください!!」
 意外な内容と意外な大声に僕は驚かされた。百合自身も予想以上に大きな声が出てしまったのだろう。
彼女は叫んだあと真っ赤になってしまった。さっきさんざんからかわれて赤らめさせられた僕が言うのも
なんだけど・・・か、かわいい・・・・・・

 かわいいとはいっても、百合のほうが僕より25cm近く大きい。僕の目線は百合の胸の高さだ。
「あ、あの、友達って・・・こんなに小さい僕を・・・イヤじゃないの?」
 小さいからといっていじめられた子供の頃を思い出してしまった。
「そっそんなことありません!!体の大きさで価値なんてわからないと思います!体のことでなんかあたしは
なんとも思ったりしませんよ!そんなこと言っていじめる人に限って弱・・・・・・いやなんでもありません!!
あの、あたし友達とか全然いなくて・・・部の人たちぐらいしか話せる人いなくて・・・」
 え?こんな顔も性格もかわいい百合なのに友達いないのか・・・なぜ・・・?それにさっき言いかけたことは
一体・・・?・・・ともあれ、体の小ささを差別しない百合が友達になってくれるのはうれしかった。ぼくもこっちに
引っ越してきたばかりで知り合いも少ないし・・・

「ありがとう。うれしい。僕みたいなのでもいいの?」
「山野さん、友達に・・・なってくれるんですか!?」
「うん」
「うれしい・・・あたし・・・ありがとうございます!よろしくお願いします!!」
 百合はまだ赤い顔を目いっぱいほころばせて握手を求めてきた。それに応じた僕。暖かい手・・・
しかしなぜ、ちょっと年齢の割りに筋肉の発達が凄いなぁというくらいの、こんなにかわいらしくて優しい女の子
に友達がいないのか・・・それだけが気になっていた・・・・・・

 大きな手だった。今までいろんな人と握手したけど、160cmほどでこんなに手の大きい人は記憶になかった。
そしてその握力。百合はよほど嬉しかったのか力の加減を知らないのか、百合の大きな手はすさまじい
握力で僕の小さな手をギリギリ締めつけてきた。正直言って痛かったんだけど、百合の本当に嬉しそうな顔の
前に何も言うことはできなかった。
 やっと離してくれた。僕は正直ホッとした。
「あたしのお友達の山野さん・・・よろしくお願いしますね!」
「う・・・うん。よろしく、百合ちゃん・・・」
「百合でいいです」
「え?」
「百合って呼んでください。年上のお兄さんだし」
「え、う、うん・・・わかったよ。百合」
「はい!」
 百合はまたまぶしい笑顔をはじけさせた。何かこっちまで嬉しくなってしまうような笑顔・・・とてもさっきの
強靭な握力を発揮した者とは思えないかわいさだった。

「そろそろ暗くなってきたし、帰ろうか」
「はい!・・・あっ!!」
 ズザァッ!!
「百合〜?ぬけがけはないんじゃな〜い?」
「そうよ、後輩の風上にも置けないいけない子ちゃんねー」
 ベンチを立とうとした僕と百合の前に、1台の自転車に乗った少女2人がドリフトしながら現れた!
彼女たちはさっき僕をもてあそんだ6人のうちの2人だった。後輪をスライドさせながら回転するように停車
させたため物凄い砂埃が舞い上がった。
「ゴホッ、ゴホッ・・・」
「うぷっ・・・せ、センパイたち!!どうしたんですか!」
「お友達になってくださ〜い!!・・・なんてヘンな大声出してる子がいると思ったら百合だったのね。
山野君をひとりじめしようなんて、百合もやるね〜」
「ひ、ひとりじめなんて変なこと言わないでください!」
「あたしたちも坊やのお友達になりたいなー」
「山野さんは坊やじゃありません!!キャプテンにまた怒られちゃいますよ!」
「そんなこといったって、どっから見ても坊やじゃんねー。キャプテンだって、はじめは子供と思ってて、
大人ってわかったら、あたしたちと一緒に『えーーーー!?』なんて驚いてたし」
「そーそー!いっつも冷静なキャプテンがあんな驚くとこはじめて見たよね!!あたしもうおっかしくてさぁ」
 さっき、僕は彼女たちをよくしつけられてるなんて言ったけどそうでもなかったみたい・・・
前言撤回・・・・・・わぁっ!!

「ボク、お姉さんたちとも仲良くしようね。かわいがってあげちゃう」
「わ、わ、わぁぁ・・・・・・」
「どうしたのボク?怖がらなくたっていいんだよぉ。お友達でしょ」
 彼女たちのうち1人、あの8人の中で2番目に大きかった女の子がベンチに座ったままだった僕の脇の下に
手を突っ込むと、軽々と持ち上げて高い高い状態にしてしまった!こうやって抱え上げられるのは小学校
6年生のときの騎馬戦の練習後に5年生の女の子に高い高いされて以来だった。今回は身長が決定的に
違う!今僕を高々と抱えている少女は170cm代後半は確実にあり、すでにもう目が回りそうだった。
「ふふ、子供にしたって軽すぎよ、ボク」
「センパイ!!山野さんをいじめるのはやめてください!!」
「いじめる?人聞きの悪いこといわないでよ、百合ちゃん。遊んでるんだよねー、ボク」
「そうよ。ボクも背が高くなってうれしいでしょ?ところでボクは、飛行機遊びって知ってる?」
「ひ、ひこうき・・・あそび?」
「そう。こーやって遊ぶんだよぉ!!」
 ブンッ、ブンッ、ブウウウウウウゥン!!
「ひいい!!い、い、い、わああああああああああああ!!」

 僕を高い高いしていた長身の少女は、僕を真横に傾けるとそのまますさまじい勢いでグルグルと回転し、
僕は自分の身長よりやや高いくらいの高さで猛スピードで空中旋回させられた!この女の子、並の腕力では
なかった。スピードはグングン増していき、僕は風圧に身をさらしながらだらしなく悲鳴を上げ続ける他に何も
できなかった。遊園地によくある飛行機をかたどった遊具のように僕を高速でブン回しながら彼女が楽しげに
僕に何か語りかけてきたけど何を言っているのか聞き取る余裕すらなかった・・・

「どう、楽しかった?あれ〜この子、目ぇグルグル回ってる〜!!おっかしー!」
「あーホントだー!!かっわいー!キャハハハハハハ!!」
 本当に目が回ってしまい焦点が定まらない僕の耳に彼女たち2人の笑い声だけが響いてきた。友達と
いうより、仲良くするというより、僕はこの中学生巨女たちのオモチャだった。・・・とにかく怖かった。
情けないけど、百合に助けを求めたかった。逃げ出したかったけど、彼女は僕をガッチリ高々と抱え上げた
まま放してくれなかった。かわいい女子中学生の声で笑いながら。
「もーセンパイったら!!やっぱりいじめてるじゃないですかー!!山野さんがかわいそうです!!」
「だからいじめたりなんかしてないってばー。子供ちゃんだからこういうの喜ぶと思ってさー」
「子供じゃありません!!どうしてわかってくれないんですか!?」
「百合ちゃん今日どうしちゃったのぉ?なんかカリカリしちゃってさ。わかった、百合ちゃんもやってみたくて
ひがんでるんでしょ?そんならそうって言えばいいのに。じゃ、百合ちゃんもやってみる?飛行機遊び。
楽しいよ。はい」
 彼女は放心状態の僕を百合に手渡したようだった。気が付くと百合の太い両腕に抱きかかえられていた。
「もう、そういうことを言ってるんじゃありません!!いいかげんにしてください!!」
「百合ちゃん、そんな怖い顔しないでってば。じゃ、あたしたちもう帰るね」
「バイバイ、百合ちゃん。おチビくん。・・・あっ、そうだ!」
 彼女たち2人は再び僕たちのところへ歩み寄ると、百合に抱っこされた僕の頬を突っつきながら言った。
「今日からお友達よ。あたし、高山志乃。よろしくね」
「あたしは野村麻衣子。よろしく!」
 今さっき僕を飛行機にして軽々振り回した、今日の8人の中で2番目に大きかった女の子が志乃、
もう1人の、その次に大きかった女の子が麻衣子というらしかった。

「っていうかねー、せっかくお友達になったのに山野君なんて言い方ちょっと他人行儀じゃない?」
「そうだよね。なんか親しみのわく呼び方でも考えよっか」
「おチビちゃん・・・はいくらなんでもかわいそうか・・・」
「う〜ん・・・山ちゃんってのもね〜。いまいちだなぁ・・・あっそういえば下の名前なんていうの?」
「富士夫さんです。山野富士夫さん!」
 先に百合が答えた。
「ふじおくんっていうの。じゃーねー・・・う〜ん・・・」
「ふじくん・・・ちょっとアレかなぁ・・・じゃあ・・・じゃあ・・・えっと・・・んっとぉ〜」
「プチお君にしない?」
「キャハハハそれいー!!ちっちゃいもんねー!!プチだからプチおくーん!」
「うん、それにしよ!プチお君に決定よ!よろしくね、プチお君♪」

え・・・ええええぇ!?


つづく





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